犯罪科学分析室 電子の標的(2015年) | 勝手に映画紹介!?

犯罪科学分析室 電子の標的(2015年)

犯罪科学分析室 電子の標的

テレビ東京の水曜ミステリー9でエアチェックしておいた「犯罪科学分析室 電子の標的」を鑑賞…番組欄でたまたま見たキャスティングに惹かれて録画してみる気になったのだが、濱嘉之の「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央」という小説が原作だった。濱嘉之といえば、TBSの月曜ゴールデンでシリーズ化されている哀川翔アニキの「世田谷駐在刑事」(鬼コバ)シリーズと同じ作者…どちらも原作は読んだことはないんだけど、この著者の警視庁情報官シリーズは過去に読んだことがあり、わりと好みの作家さんではある。うん、録画してよかった!

奥多摩で遺棄された人骨が発見された!身元の特定を急ぐため、捜査一課長・岩瀬泰司は部下に檄を飛ばしていた!しかし、FBIの研修から帰ってきた藤江康央率いる警視庁捜査一課・犯罪科学分析室の面々は現場の遺留物などからあっさりと身元を割り出す!被害者は3年前に行方不明になった記者の加藤正一郎で、加藤は麻薬組織の取材を続けていたらしい。やがてリュウ・カイエイという人物が容疑者として浮上し、逮捕された。しばらくして内閣官房副長官補・前田哲也の甥が何者かに誘拐される。犯人の要求はリュウ・カイエイの釈放だった!

「CSI:科学捜査班」「NCIS」チックなハイテクを駆使した捜査チームが活躍するお話…明らかに海外ドラマの影響を受けているような作品って、2時間ドラマや1時間枠の刑事ドラマでも増えてきましたよね?これまた、お約束のような設定…靴底をすり減らし、足で稼ぐ昔ながらの現場刑事なんかとはあまりソリが合わないようです。一昔前は「踊る大捜査線」の影響で、本庁とショカツの確執が多かったんですけどね…最近は新設部署と昔ながらの刑事がいがみ合うというパターンが多め。ちなみに、今野敏センセイのSTの原作は…CSIの登場よりも早いんだよ!

まずオイラが気になったキャスティングですが…主役のFBI帰り(時々、ぶつぶつと英語をつぶやいたりするアメリカかぶれ野郎)の室長(リーダー)を演じる伊原剛志。そして、普段は鑑識っぽい仕事をしつつ、変装してヤクザの事務所に潜入なんてことまでやらされる部下、手塚とおる。そう…2人とも平成ガメラの出演者なんです。伊原剛志は1作目の「大怪獣空中決戦」のメインキャストの1人、そして手塚とおるは3作目の「邪神<イリス>覚醒」で重要な役どころで出てきた(きもい)コンピュータープログラマー。この2人が上司と部下で共演しています。

それだけでテンションがあがったんだけれども…室長よりももっと上のお偉いさん、警察幹部の役でやっぱり平成ガメラ出演者の長谷川初範も出てきたので嬉しくなってしまった。どうせなら、中山忍とかもキャスティングしてほしかったぜ!ほか、犯罪科学分析室内で、普段はパソコンの前に座り、オペレーターのような仕事をしているのが…顔を見ただけで南部ダイバーの歌声が蘇ってくる皆川猿時!こっ濃すぎる面子。これに紅一点の佐藤めぐみを加えたのがメインキャラ。佐藤と猿時の“ドS刑事”的な関係も愉快。つーか、猿時はみんなのオモチャ!

冒頭、倉庫みたいなところでおっさんが撃ち殺される事件が発生…あっという間に3年が経ち、同じ倉庫内で、犯罪科学分析室の面々が何やら捜査をしている。実は、その前に…切断された人骨が発見されていて、それがどうやら冒頭で殺されたおっさんらしいのだが、捜査本部では身元の特定が最優先事項になっていた。そこに、我が物顔で分析室が乗り込んできまして…もう身元を特定したよと。実は、最初に発見された骨から、殺害現場の倉庫を特定し、さらにその倉庫内で新たな証拠を見つけてと…とんとン拍子で身元特定までこぎつけていた!

ついでに、犯人も見つけてめでたしめでたし…事件もスピード解決!って、まだ始まったばかりだろ!仕切り直しで…今度は、なんか頭の悪そうなガキが出てきまして、案の定…怪しげな女に声をかけられ、フラフラと付いて行ってしまう。どうやら誘拐事件が発生したようですよ。アレ、冒頭の事件は単なるフリだったのか?なんて思っていたのですが…この誘拐されたガキンちょが、警察関係者の甥っ子で、犯人グループは殺人事件の犯人の釈放を要求してくる。ああ、ちゃんと関係があったのね。分析室は両方の事件をまとめて捜査をするが…。

捜査する側も、犯人一味も、そして被害者も…タブレット端末やスマホなどハイテク技術は必需品でして、物語の要所要所で重要なアイテムとして使われます。犯人たちも、あんだけ周到に計画を立てたなら、もうちょっとこういう技術について、勉強した方がいいんじゃないか?ってちょっと思ったりもしたが…そこは、FBI仕込の室長の閃きや駆け引きが一枚上手だったと納得しておきましょう。何気なく(演出的にはわざとらしく)TVに映っていた天気予報や…ポケモン・妖怪ウォッチを真似た今時のカードゲームがしっかりと複線になっていて意外と良かった。

キャスティングなんかで、本当の黒幕や事件の背景まで推理することは用意だったが…これ見よがしに怪しい行動をする人物も出てきて、展開は二転三転したので、最後まで飽きなかったですよ。まぁ、あの誘拐されたガキの演技がちょっとイラっとしましたが…我慢、我慢。子供に目くじらを立ててはいけません。そうそう…ほとんど活躍しない無能(分析室の噛ませ犬状態)な現場刑事の中に、山瀬まみの旦那、中上雅巳が出ていた。専業主夫じゃなくて、ちゃんと役者業もしてるんだなとわかり…このドラマでそれが一番のサプライズでありました(笑)


監督:神徳幸治
出演:伊原剛志 手塚とおる 皆川猿時 佐藤めぐみ 長谷川初範 森田順平 滝沢沙織 宍戸開 西村雅彦


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