ルパン三世(2014年) | 勝手に映画紹介!?

ルパン三世(2014年)

ルパン三世

【鑑賞日:2014年9月5日】

先週から始まっている「ルパン三世」をシネコンで鑑賞…イオンシネマのタダ券と、残り一枚になったシネプレックスの割引券、どちらを使おうかなって迷ったんだけど、結局、どちらも温存することにして、今回は普通にレイトショー料金1300円を支払った。場内はそこそこの混雑…デートムービーとしてちょうどいいのか、ほとんどが若者カップルで、オイラのようなおっさんの1人鑑賞もチラホラって感じ。オイラの行ってるシネコンで、これだけ人が入ってるって事は、きっと世間的にもヒットしてるのではないかと思ってみるが、実際はどうなんだろうか?

大富豪トーマス・ドーソン率いる犯罪組織ザ・ワークス…次期リーダーの座をかけて、ルパン三世、峰不二子、マイケル・リーら、組織に属する凄腕の泥棒たちがしのぎを削っていた。ある時、マイケルが裏切り、ドーソンを殺し、クリムゾンハートと呼ばれる首飾りを組織から盗んで逃亡。ドーソンの仇を取るため、マイケルから首飾りを取り戻そうと、ルパンは不二子、次元大介らと一緒にマイケルの後を追うことに。それから一年、ようやくルパンの目の前に姿を現したマイケルと対決するため、ルパンは石川五ェ門を仲間に加えるのだが…。

実写映画化が決まり、キャスティングが小栗旬に、黒木メイサなんて発表された時は…「誰が見るんだよ!」って思ったでしょ?ついこの間まで、オイラもその気持ちが強かったんだけど…劇場でバンバン、予告が流れ始めてから、あらためて監督の名前を調べたら…北村龍平であったことが判明。ええっ、龍平さんだったのかよ…興味なかったから見逃してた。しかもプロデューサーは「あずみ」で龍平さんと組んでいる山本又一郎、傑作「太陽を盗んだ男」を作った男(プロデューサー)でもあるんだ。これ劇場に行かなきゃいけないだろうと、考えを改めなおした。

でまぁ…映画全編を見た感想だけど、ストーリーはトホホなところもあるけれども、アニメの実写化ってくくりでは、思ったほど悪くないじゃん。元来、アニメのルパンもツッコミ満載なんだから、そこに文句をたれるのはおかしい。最初はもっと酷くなるって思ってたけど…やっぱり北村龍平の手腕でしょうか…アニメへのオマージュ的なシーンもちょっとだけ入れつつ、龍平印のド派手アクションで、懐かしの無国籍アクションを見ているようなセンスを感じるわけですよ。ちょっと2時間13分はさすがに長すぎで…これ90分にまとまってたら傑作だったよね(笑)

相変わらず柴崎憲治さんの過剰なくらいド派手な効果音…こういうところもいかにも龍平映画で燃えるわけ!一か所、アクションで残念なところといえば…「またつまらぬものを斬ってしまった」とあの名台詞を五ェ門が呟くカーチェイスシーンで、五ェ門が敵の車とどつきあいをするんだけれども、せっかく斬鉄剣(劇中では一度もそう呼ばれてない)で斬ったなら、相手の車が真っ二つになるとか、バラバラになるとか、そういうところも再現してほしかった。いつそうなるかと期待してスクリーンを凝視してしまった。ちょっとあのシーンは遊びが足りないなぁ。

小栗旬と黒木メイサのミスキャスト感は否めないが…他の3人、次元の玉鉄とか、五ェ門の綾野剛、銭形のとっつぁんの浅野くんなど、けっこういい雰囲気で、自分は好きですよ。まさかの「オンリー・ゴッド」のチャンさん(ヴィタヤ・パンスリンガム)登場に身震い。こういうキャスティングも龍平さん&又さんコンビならではの豪華さか?邦画を中心に見ているようなファンにはなじみが薄いかもしれないが…実は、脇役の外国人俳優さんが凄く豪華なんだよねって。この作品に限っては、アニメ風の全吹き替えも悪くなかったが、言語での芝居もぜひ見て見たくなった。

ただね…この映画を見に行くほとんどの人が、キャラ設定なんか、だいたい知ってるわけなんだから、変にアレンジしなくてもいいと思うのだが…なんとなく独自のエピソード0的な内容になってまして、ルパンファミリー結成前の話から始まるんですね、そこがちょっと嫌。ルパンと次元、不二子は大規模な犯罪組織に属していて、他に親分や仲間がいます。その中の一人が裏切りまして、ルパンは敵対するんだけど、そこでようやくいつものメンバーで固まって動き出す。五ェ門だけは途中、ルパンの知り合いという事で助っ人参戦なんだよね。

ぶっちゃけ、その他大勢の仲間は要らないなって印象が強いものの、Vシネ好きとしては山口祥行さんだけは別格(笑)その他大勢の仲間たちの中でも祥行さんはけっこうザコキャラ的な扱いなんだけれども…冒頭の金貨強奪ミッションあたりでは、さりげなくキレの良いアクションをご本人が披露していて、思わず嬉しくなってしまいます。そういえば、同じ山本又一郎プロデューサーの「クローズZEROⅡ」でも最初だけしか出てこない美藤真喜雄役が印象的でしたよね、祥行さん。韓国人を仲間に残すなら祥行さんを最後まで生かしてほしかったぜ。

思ったほど悪くなかったんですけど…失敗作には違いなく、それは何かといいますと、やっぱり音楽ですよね。製作陣の根回しが足りなくて、本家のアニメルパンから音楽の使用権利がとれなかったらしいじゃないですか?なんか、ルパン風の音楽もチラホラと聴こえてくるんだけれども、しょせんバッタモン…龍平監督ががんばってシャレオツな映像を撮っても、やっぱりルパンじゃないんだよ。オープニングでは大野雄二のルパン三世のテーマが聴きたい。最後のとっつぁんとのお約束の追いかけっこでは、頭の中でスーパーヒーローが鳴りまくっていた。

たとえばさ、駄作の実写版「キャッツアイ」だって、杏里の「CAT'S EYE 2000」がかかっただけで、それらしく見えちゃったり、三池崇史が監督した「ヤッターマン」だって、ちゃんと山本正之センセイの主題歌が使われていて感動したもんで…やっぱり音楽が重要な部分だったんだけど、この映画にはそれがすっぽり欠けているのだ。映画公開前に小栗旬がゲスト出演した「ぴったんこカンカン」で、これでもかってくらいアニメのBGMを使いまくってたのが…なんともいえない皮肉でして、TBSのささやかな抵抗か?もし続編あるなら、まずは日テレの懐柔からだね。


監督:北村龍平
出演:小栗旬 玉山鉄二 綾野剛 黒木メイサ 浅野忠信 ジェリー・イェン キム・ジュン ニック・テイト


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映画 ルパン三世 ORIGINAL SOUNDTRACK
LUPIN The Best







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