機動戦士ガンダム(1981年) | 勝手に映画紹介!?

機動戦士ガンダム(1981年)

劇場版 機動戦士ガンダム Blu-ray トリロジー

引き続き「劇場版 機動戦士ガンダム Blu-ray トリロジーボックス プレミアムエディション」の消化…結局、全部順番を逆に見ました。いやね、特典のオーディオコメンタリーが一番地味かなって思ったんだ。藤田純二さんっていうキングレコードの音楽ディレクターやってた人と、指田英司さんっていうサンライズ音楽出版(サンライズの子会社)の社長をやってた人という…やけにマニアックな人選だなぁって。だから後回しにしてしまったんだけれども…これが予想外に面白かったり。今回もコメンタリーメインの視聴で、本編セリフは字幕を出して追いかけた。

宇宙世紀0079、スペースコロニー“サイド3”はジオン公国を名乗り、地球連邦に独立戦争を仕掛けてきた!その結果、人類の半数を死に至らしめ、両陣営は膠着状態に…。地球連邦軍は、ジオンの人型機動兵器・モビルスーツ“ザク”に対抗するため、新型モビルスーツ“ガンダム”の開発を進める。そのガンダムを受け取るため、宇宙戦艦ホワイトベースは、“サイド7”に向かうのだが、ジオン軍のシャア・アズナブル少佐に情報を察知されてしまう。戦渦に巻き込まれたサイド7で、たまたまガンダムに乗り込んだアムロ・レイがコロニー内でザクと対峙する!

実はね、3部作の中で…意外と1作目も好きなのよ(結局、全部好きってことなのねん)。子供の時は、それこそ一番嫌いだったのが、この映画で(福井晴敏もコメンタリーで1作目は退屈だと語っていた)、最初に通常の単品LDを買った時も…実は「哀戦士」と「めぐりあい宇宙」しか買わなかったんだよ。でもね、少し大人になってから…CAV収録、ニューマスター版のマスターグレードBOXっていう商品がリリースされて、あらためて劇場版1作目をじっくり見たんだけれども、総集編としてのまとまりの良さに、凄く関心したりもした。

あまり多くはない新作画なんかも、かえって印象に残ったりしたんだよね。TVだとガンペリーからパーツを落として、ガンダムの空中換装なんかが描かれていたわけだけど、それが地味なコアファイターの活躍に変更されている。もちろんTVシリーズの時には、スポンサーのおもちゃメーカーの意向なんかもあって、無理やり、ああいうシーンを挿入したわけで、前にNHKのガンダム特集に富野さんと安彦さんが一緒に出演した際に…安彦さんが「再会、母よ…」は名エピソードだけど、「本来はあんなシーン要らない」って仰ってたのをはっきりと覚えている。

そう、そのコアファイターのシーンが、繰り返し見ているうちに大好きになっちゃって…自分の中で1作目の評価があがったりしたんだよ。ただ…いくら配給が松竹だからって、アムロのお母ちゃんが、倍賞千恵子(男はつらいよのさくらさん)っていうのがアレだよね。5.1ch版の改悪以上に、オイラはダメだと思う。寅さん出てる時のさくらさんは大好きなんだけど、アニメのアフレコには向いていなかった。逆に、5.1ch版ではアムロのお母ちゃんが、「銀河鉄道999」のメーテル、池田昌子になっていて…その変更部分は、個人的に気に入っていたりもするんだけど。

この件に関して…それこそコメンタリーで、氷川さんあたりが何か発言するかなと期待していたんだけれども、音楽の話に夢中になっていて、まるっきりスルーされてしまった。いや、色々と危険な発言も収録されていた今回の一連のオーディオコメンタリーだけれども、さすがに日本を代表するベテラン名女優をディスるのは避けたってことだろうか?でも、まぁ…ほとんど、ずっと劇中の音楽に関する話ばかりしていたんだけれども、意外と知らないことが多くて、“ガンダムの音楽史”というものを、もっと詳しく知りたいなって思ったりもした。

今では、宮崎アニメと切っても切れない関係の久石譲が、ガンダムの音楽づくりに、助っ人的に参加してたとか…情報としては知っていたけれども、その辺の背景、経緯なんていうのも語られております。後に安彦さんが原作、監督を手掛けたアニメ映画「アリオン」の音楽が久石譲だったりするのは、なんか、やっぱり繋がりがあったのかな?エヴァの音楽で有名な鷺巣詩郎さんが、「めぐりあい宇宙」の主題歌の編曲を担当しているのは、歌い手である井上大輔が自ら連れてきたとか…アニメ音楽の大御所さんたちも、ガンダムが実は原点なのかななんて…。

そうそう富野さんと井上大輔が同じ大学の同級生という話は有名だけれども、ガンダムで出会う前はまったく面識はなかったそうな。Wikipediaなんかには“友人の富野喜幸の頼みで手掛けた劇場版『機動戦士ガンダム』シリーズの主題歌”なんて記載されてるけど…ちょっとあの記述は誇張も入ってるんじゃない?意気投合して友人になったのは本当らしいんだけどね…ガンダム以前は友人ではなかったと。どこの誰が書いたかわからんWikipediaよりも、その現場を見ていた当事者の証言の方が信憑性がありますよね。

本当は劇場版1作目の主題歌「砂の十字架」をやしきたかじんじゃなくて、作詞作曲の谷村新司本人に歌ってもらいたかったという作り手の本音…そんな谷村新司が作った歌詞にダメ出しをしたがっていた富野さん。さすがに…それは無理ということで、音楽ディレクターの藤田さんたちが必死になだめたそうな。富野さんは“愛”という言葉が嫌いだそうで、よりにもよってサビの部分に“愛”って言葉が入ってるんだよ、「砂の十字架」。でもね、その“愛”への反発から、次の作品のサブタイトル、“哀・戦士”の“哀”という発想が生まれたと…さすがだね、富野さん。

氷川さんが声を大にして仰ってたのは…“人気がないからガンダムは打ち切りになった”というのは間違いだという事。当時の事情を知らない、若いアニメライターなんかが、知ったかで平気でそういう文章を書くと、いつもは温厚な氷川さんがちょっとお怒り気味でした。若者への不満…アニメーターなど現場スタッフの現状を嘆いていた板野一郎さんや、植田益朗さんの言葉とも大いにシンクロする部分だ。TVシリーズのリアルタイム放送中からキングレコードで出したサントラレコードの売り上げが半端じゃなかったとか…ちゃんと数字で結果も残ってるんです。

そういうディープな話が聞けて、何気にあなどれないコメンタリーだったのです。これで3作品、4つのオーディオコメンタリーを無事に視聴完了。とりあえずガンダムのブルーレイ鑑賞はここでひとまず休もうと思っている。画質は確かに鮮明だけど…だからこそ粗も目立ちすぎるという意味で、板野一郎さんは「汚い!」と表現していた。氷川さんは、セルアニメの味があるとフォローをすかさず入れてましたが。最近は、セルアニメ特有のフィルム傷なんかを“ノイズだ!”と言って大騒ぎする無知なアニメファンも少なくないんだとさ(めぐりあいのコメンタリーより)。

確かに…ブルーレイでも、こんなもんかって思う反面で、LDやDVDとガラっと印象が変わってしまったようなシーンも少なくなかったり。特に、最後に見たこの劇場版1作目、冒頭のザクがサイド7にやってくる時の、背景の宇宙が、あんなにも青かったなんて…ってオイラはビックリした。現在、BSや地デジでTVシリーズのリマスター版を放送してるけど、本編に提供クレジット、予告なしということでエアチェックを途中でやめた。その代わりアニマックスの無料放送でやった1~16話の集中放送を録画してある。これで劇場版でカットされたエピソードを見直そうっと。


総監督:富野喜幸(現:富野由悠季)
出演:古谷徹 鈴置洋孝 古川登志夫 鈴木清信 白石冬美 井上瑤 池田秀一 永井一郎 倍賞千恵子


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