スペシャル・フォース(2011年) | 勝手に映画紹介!?

スペシャル・フォース(2011年)


 勝手に映画紹介!?-スペシャル・フォース 


DVDスルー作品をソフトのリリース前に、オンエアするWOWOWのジャパンプレミア枠でエアチェックしておいた「スペシャル・フォース 」を鑑賞…タリバンに捕まった女性ジャーナリストを助けるフランスの特殊部隊のお話。女性ジャーナリストに「イングロリアス・バスターズ」のダイアン・クルーガー…特殊部隊の隊長役に、ハリウッド大作でちょこちょこ脇役をこなしている黒人俳優のジャイモン・フンスー…ちょい役の司令官役で「ニキータ」のチェッキー・カリョ…ほか、けっこう見たことあるフランス系俳優さんが隊員役でごろごろと出てきます。

中東のアフガニスタン…フランス人ジャーナリストのエルサは、この土地の女性抑圧を糾弾する記事を書くため、現地に滞在していたのだが、タリバン組織に目をつけられてしまい、罠にはまり拉致されてしまった!タリバンは、エルサと共に捕まった随行員を射殺する場面を録画し、フランス政府を脅迫。事態を重く見た政府は、特殊部隊スペシャルフォースの投入を命じる。当初は偵察任務ということで出動したコバックス率いるスペシャルフォースのメンバーたちだが、出動中の機内で、急きょ、人質奪還へと任務の内容が変更になり…。

ぶっちゃけフランス版「ティアー・オブ・ザ・サン」といった感じの内容…医師とジャーナリストの違いはあるものの、ちょっと生意気な、鼻につく一般人の女を、特殊部隊の隊員が命がけで戦場から救出、追ってくる敵から逃げる。また、逃走中の隊員たちがタリバン兵が現地住民を蹂躙するのを見て、「助けなきゃ」と、最優先の任務を放り出して人助けなんかもしてしまう…。ストーリー的にはけっこうベタだが、個性的な隊員たちが揃っており、隊列を組んでの待ち伏せ攻撃、スナイパー対決など、リアルでハードな戦闘シーンはなかなか見ごたえがある。

任務遂行中にどんどんと隊員の数が減っていくのも緊張感あり…隊長のクールさも捨てがたいが、やっぱりスナイパーのにーちゃんが個人的には一番のお気に入りかな?他のチームメンバーとはぐれてしまい、一人で大量の追手と交戦しながら逃げるシーンがあるんだけれども、「プラトーン」のウィレム・デフォーのあの名シーンと思わずダブらせてしまう。役名が二人ともElias(発音や日本語字幕表記では違う場合あり)というのは偶然ではないはず、あのシーンは作り手もけっこう意識して撮ってるんじゃないだろうか?

劇場未公開で、むさくるしいおっさんたちが活躍する特殊部隊もの…というと、アクション映画好きのおっさんにしか興味をもたれなそうなんだけれども、そこは面子にダイアン・クルーガーを混ぜ、紅一点ヒロインに据えたことで、女性視点で見れる映画にもちゃんとなってるのでご安心を。知らずに、隊員といい関係になってたり、適度にラブストーリーを盛り込んでいるし(このあたりも「ティアーズ・オブ・サ・サン」だな)、何より事の発端は、自由恋愛もできない腐った国、男どもを糾弾してやろうってところから始まってるんですから、女性の共感を呼びそうです。

さらに…途中から、極悪非道なタリバン兵よりも自然の猛威の方が恐ろしかったという、サバイバルムービーと化していく。負傷した仲間を抱え、雪山を超えなきゃいけないとか…「劒岳 点の記」など山岳映画並みのスペクタクル。やっとゴールが見えたかなと思うと、またも災難やトラブルが降りかかる!生き残る隊員なんかも、意外とこっちの予想を裏切ってくるし…最後はちょっと駆け足になったが、エンディングのテロップが流れるまで、予断を許さない。壮大な大自然の中でのロケなどスケール感のある映像、充分、劇場公開もイケたと思うけどな?


監督:ステファン・リュボジャ
出演:ダイアン・クルーガー ジャイモン・フンスー ブノワ・マジメル ドゥニ・メノーシェ アラン・フィグラルツ


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