まほろ駅前多田便利軒(2011年) | 勝手に映画紹介!?

まほろ駅前多田便利軒(2011年)


勝手に映画紹介!?-まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション


昨日返却済、新作5枚で割引のセット料金で借りてきた、最後の1枚のレビューがまだだったので…なかなか新作料金で借りたいものが見つからず、GEOの店内をグルグル回ってようやく行き着いたのがコレ、もう1か月近くも前の11月2日にリリースされていた「まほろ駅前多田便利軒 」、直木賞を受賞した三浦しをんの同名小説の映画化である。オイラも受賞直後に、単行本をブックオフの100円コーナーで見つけて読んでいる。監督は麿赤兒の長男、大森立嗣だそうで、なるほど、だから親父さんや弟の大森南朋もチョイ役で出てたのね…。

東京よりも神奈川に近い場所にある“まほろ市”…その駅前で便利屋“多田便利軒”を営む多田啓介はバツイチでちょっと頑固なところがる。その日も、路線バスが間引き運転をしているのではないかと疑う常連客からの依頼で、バスの実態調査に勤しんでいた。その帰り道に、別の依頼人から預かったチワワがどこかへ逃げてしまったのだが、近くのバス停で、チワワを抱いている男を発見!なんと、男は多田の中学時代の同級生・行天春彦だった。行くところがないという行天は、そのまま多田の家に居座ってしまい…。

原作を読んだのはもう5年くらい前の話なので、だいぶ忘れている部分があったんだけど…映画を見ていて、なんとなく内容を思い出してきた。連作短編みたいな原作だったはずだけど、原作の雰囲気を上手にまとめる形で、一本の映画になっているような気がする。何より、この映画で大事な部分は、架空だけど、どこかで見たことがあるような街“まほろ”の存在…モデルが東京の町田であることは、関東近郊に住んでる人で、この原作本を読んだことがある人の10人のうち9人くらいは、気づいたはずである。

で、映画のロケを町田駅やその周辺・近郊でちゃんと行っているのが偉いかなと…映画って嘘が多いから、北海道が舞台の映画でも、実際は千葉や埼玉、静岡あたりでロケしているなんてことはザラである。実はオイラも、町田にある専門学校に通い、社会人になり始めたころは、仕事で町田市内を営業車で回っていた時期もあったりするので…映画の中に映る風景に、なんとなく懐かしさや親しみを覚えてしまった。オイラがよく行っていたころと、町田の駅前の様子もすっかり変わってしまったのだが、町田独特の空気感がフィルムによく出ている。

最初は主役の二人も、ちょっとイメージが若すぎかななんて思ったんだけど、意外とピタリとハマってたね。特に、松田龍平が演じた飄々として、つかみどころのない行天はなんともいえない不思議な存在感。松田優作のパロディをあえて、龍平じゃなくて瑛太にやらせて、それを冷めた目で受け止める龍平とか、細かいネタがめちゃくちゃ面白かったよ。ホンモノの外国人娼婦にしか見えない片岡礼子、時よりゾっとした怖さを滲ませる刑事役の岸部一徳など脇役のキャスティングもよい。原作もののいいお手本、しっかりと映画らしさが味わえる良作。


監督:大森立嗣
出演:瑛太 松田龍平 片岡礼子 鈴木杏 本上まなみ 柄本佑 松尾スズキ 麿赤兒 高良健吾 岸部一徳


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