Coo 遠い海からきたクー(1993年) | 勝手に映画紹介!?

Coo 遠い海からきたクー(1993年)


勝手に映画紹介!?-Coo 遠い海からきたクー

近所のブックオフの中古ビデオコーナーで100円で投げ売りされていた「Coo/遠い海から来たクー 」を発見!思わず購入してしまったのだが…なんと、昔、オイラが使ってたレンタルビデオ屋のレンタル落ちソフトではないですか(笑)今現在、DVD化はされておらずAmazonのマケプレでも中古VHSはわりと高額で取引されてますね…Amazonせどりに奪われる前にGETできてラッキー♪映画の内容は、景山民夫の同名原作をアニメ化したもので、脚本を岡本喜八が担当しているのがなかなか豪華。昔、金曜ロードショーでチラっと見たけど、ソフトでちゃんと見るのは今回が初めてなのだが…。

妻に先立たれた海洋生物学者の小畑徹郎は、息子の洋助と二人で南の島フィジーのパゴパゴ島に移住し、自然に囲まれ、静かに幸せに暮らしていた。そんなある日、洋助が海岸で不思議な生物を見つけ、あわてて家に戻ってきた。「クー」という鳴き声を発することから、洋助にクーと命名されたその生き物が、実は6500万年を超えて生き延びた水棲恐竜プレシオザウルスの子供であることが判明。徹郎、洋助親子は、こっそりとクーの面倒を見始めるのだが…プレシオザウルスの存在をしった謎の組織が、二人の知らないところでひそかに行動を開始していた!

こっそりと恐竜を育てる映画ということで、最近では「ウォーター・ホース」なんて映画もあったけど、この作品も「ドラえもん のび太の恐竜」をもう少しリアルにした感じの内容だよね…自然保護や核実験廃止などといったテーマがあからさまに出てくるあたりは、やはり原作者や脚本家の影響だろうと思うんだけれども…ヒロイン的キャラのキャシーという自然保護運動家が、武力行使も厭わない好戦的なキャラであるあたりが、今見ると…話題のシーシェパードとダブって見えてしまい、なんだか複雑な感じがした。普段、この手の戦うおねーちゃんキャラは実写、アニメを問わずけっこう好きなんだけどね。

美しい自然を背景に恐竜との交流といったほのぼのとした描写を描きつつも…フランス政府の諜報員みたいなのが、原住民のじーさんをぶっ殺したり、一般市民、子供にまで銃を向けるというえげつなさ顔を見せ、主人公の子供の方も…クーを助けるためと率先して銃を手に取るなどと妙にアンバランスな感じがする。そういうこともあってか、中盤で展開される、銃を持った特殊部隊と主人公たちの派手な戦闘シーンは、作画的にも見どころになっているんだけれども…この辺りが、映画的にも盛り上がりがピークだったかなという感じがしないでもない。

クーが政府に連れて行かれ、奪還を試みるが、ガキの浅はかさで逆に洋助が今度は人質になってしまうという後半の展開なんかも盛り上がりに欠けるよね。平和主義を唱え、頑なに銃を手にとる事を拒絶していた父親が、子供の為なら仕方なしいと、銃を手にとって、悪を倒すくらいの展開が欲しかったところだが…平和的な解決策を望み、自然の力を信じて良かっただろうな、綺麗事でお茶を濁されてしまうというか…。各実験を強行させる政府と、自然保護団体の対決なども、なんだか中途半端な感じだった。

作画監督補という役職で「時をかける少女」「サマーウォーズ」の監督、細田守の名前がクレジットされていた。美術監督は同じく時かけの山本二三であり(なんで、背景美術は本当に綺麗だった)…こんなところで、将来の傑作のメインスタッフ二人がニアミスしてたのねって感じですよね。キャスティングに関しては、おとーちゃん役の伊武“デスラー”雅刀はともかく、山崎裕太や山口智子といったタレント起用はやはりマイナス…脇役に関しては、ベテラン声優がしっかりと脇を固めているので安心してセリフに聴きいれるんだけど…。


監督:今沢哲男
出演:山崎裕太 伊武雅刀 山口智子 神谷明 家弓家正 青野武 石田太郎 若本規夫 大塚芳忠 千葉繁


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中古VHS Coo/遠い海から来たクー
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