バビロンA.D.(2008年) | 勝手に映画紹介!?

バビロンA.D.(2008年)


勝手に映画紹介!?-バビロンA.D. (特別編)


GEOの新作3割引キャンペーンで借りてきた2009年9月4日発売、レンタル開始の新作DVD「バビロンA.D. 」を鑑賞…最新作「ワイルド・スピード MAX」の公開が迫る、マッチョなヴィン・ディーゼル兄貴主演の近未来SFアクションで、ミシェール・ヨー、ジェラール・ドパルデュー、シャーロット・ランプリングとなかなかインターナショナルな豪華共演陣。監督は、俳優としても活躍するマチュー・カソヴィッツ…昔はヴァンサン・カッセル絡みのフランス映画の佳作をいくつも輩出していたが、大作系を撮るようになってからは微妙かな?

荒廃した近未来の地球、東欧、新セルビアの集合住宅に隠れ住むトーロップは、大金で仕事をこなすプロフェッショナルな元傭兵。ある日、マフィアのボス、ゴルスキーから、アメリカまである荷物を運ぶ仕事を依頼される。アメリカではテロリストとして指名手配されているトーロップだったが、ゴルスキーが用意した新たな身分を使えば、任務完了後、アメリカで晴れて自由の身になれるという。さらに大金を要求し、仕事を引き受けることにしたトーロップ、ゴルスキーの指示で、モンゴル僻地のとある修道院へ連れて行かれたのだが、そこで引き合わされたのはオーロラという名の少女と、彼女の保護者であるシスター・レベッカだった!

「トゥモロー・ワールド」なんかにも似た、荒廃した近未来のビジュアル…比較的、こういう雰囲気って好きなんですよね。普通に現代っぽさを残しつつも…やたらと細かい設定に拘ってて、たとえば、紙のマップみたいなのが、広げると中身はデジタルで、iPhoneみたいにタッチパネルで操作するようになってるとか…無駄なアイデア(笑)がそこら中に転がってるわけだ。移動するのに、ヘリでつり上げた車に乗るとか…アイデア自体は「007は二度死ぬ」みたいじゃんとか思うけど、その理由付けでちゃんとSFっぽさが感じられるかなと。あとは、色々な言葉が飛び交って無国籍感がでていたり…まぁ、そこも「ブレードランナー」って言ってしまえばそれまでだけど、こうした猥雑な雰囲気が良かった。

車が出てきて、人を運ぶなんていうから、ここも「トランスポーター」のパクリ?と思わせておいて、移動手段が電車ってなかなか意表を突く。比較的、アクションも豊富で…銃撃戦や流行りのパルクールアクションなどを見せながら小気味よいテンポで作品は進む。スノーモービルでステルスっぽい戦闘機と互角に戦っちゃうところなんて「トリプルX」を彷彿。でもってヴィン兄貴はもちろん、ミシェール・ヨー姐さんまでしっかりとアクションを披露…そっかトリプルXとボンドガールじゃん、この2人と思いながら、それらのアクションシーンを楽しむ。次から次へとイベントやアクションが起き、面白いかもという錯覚は起きるんだけど、よーく考えると、なんだかストーリーが全然飲み込めていない事に気づく。

主人公たちの逃避行のドラマ分部が薄く…主人公が仕事として引き受けた部分から、ヒロインを守るぞって正義の味方に目覚めていくくだりなんかも希薄なもんだから、ご都合主義なクライマックスの急展開、唐突感が否めないラストに、けっこう面食らう。情報の整理不足か、敵味方がなんだかはっきりしないのもマイナスだったかな?そういえば、スタジオの意向で、当初のストーリーを大幅に削って映画を編集し、監督はかなり不満だったという話を、映画雑誌だか、インターネットの映画評だかで見た記憶がある。真相解明も、ヴィン兄貴の要領を得ないナレーションでお茶を濁された感じ、こっから先が面白くなりそうだぞってところで、映画は終わってしまいました。一瞬でも、面白いじゃんという気分になれたってことは、映画会社の狙い通りだったってことなんだろうけど…やっぱり中途半端さが残念で仕方がない。ありがちな内容だが、筋が通ってればもうちょっとまともな作品になっただろうに…。


監督:マチュー・カソヴィッツ
出演:ヴィン・ディーゼル ミシェル・ヨー メラニー・ティエリー シャーロット・ランプリング マーク・ストロング


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DVD バビロンA.D. (特別編)
勝手に映画紹介!?-バビロンA.D. (特別編)