劔岳 点の記(2009年) | 勝手に映画紹介!?

劔岳 点の記(2009年)

勝手に映画紹介!?-劔岳 点の記


【鑑賞日:2009年6月25日】

先週末から始まっている「劔岳 点の記」をシネコンで鑑賞してきた…レイトショーがなかったので、あらかじめコンビニで前売り券を購入しておいた(前売りの劇場販売もなかった)。当初はもっと早く見に行く予定だったんだけど…昨日から、シネコン内で上映スクリーンが変わり、一番大きいTHXスクリーンでの上映になるというので見に行かないで我慢していた。上映劇場の変更も納得だよ…平日の初回だったんだけど、劇場はシニア料金で見に来たじーちゃん、ばーちゃんで大混雑、7割程度は座席が埋まっていた感じ。

明治39年…陸軍は国防のため日本地図の完成を急いでいた。陸地測量部の柴崎芳太郎は、軍の命令で、最後の空白地である、劔岳への登頂と測量を行うことになり、前任の測量手、古田盛作から現地の案内人として、宇治長次郎という男を紹介される。柴崎は現地に赴き、宇治と共に下見を開始するが、やはり一筋縄ではいかない。その頃、創設間もない日本山岳会も、海外からの新しい技術や豊富な資金力を活用し、劔岳の初登頂を狙っていた!翌年の明治40年、芳崎は仲間を従え、本格的に測量を開始するのだが…。

長年、多くの大作邦画に関わってきたベテランカメラマンの木村大作の初監督作品。映画人というより、うるさ型のコメンテーター、偏屈オヤジみたいな印象も強いので、いったいどんな頭でっかちな映画を撮ったのか?まぁ、カメラマンだから映像への拘りは、期待できるんじゃねーか?みたいな気持ちで見に行ったんだけど…迫力の映像美と、、いささか武骨だが、熱いドラマで期待を裏切らない。劇場のでかいスクリーン、今からこんなギンギンに冷房を効かしたら、真夏を乗り切れるのかよ?と思ってしまうほどのクーラーの寒さが、よりいっそうの臨場感を与え、自分も極寒の剱岳に放り込まれたような気分が充分に味わえる。

測量機材を運びながら、登頂する測量部の姿は、この映画のスタッフにも通じる分部があり、きっとこの映画の撮影メイキングなんか見たら、それこそ現代版の“劔岳”として、なかなか見ごたえがあるんじゃないかと…将来、ソフト化の折には、そういったものも映像特典として収録してほしいかなと、熱望してしまう。人間なんてなんてちっぽけなものだろう…軍部の無茶ぶりは、そのままご都合主義の今の世の政治家を見ているようでもある。机にふんぞり返って、偉そうなことを言ってるだけじゃなくて、自分の目で現場を見てこいよと!

下手すると、単調になりがちな物語も、測量部と山岳会のライバル的な関係のおかげでけっこうドラマチックになったね。最新設備と資金力をちらつかせ、最初は金持ちボンボンのようないやらしさをにじみだしていた、仲村トオル率いる山岳会…、こんな奴らに負けるなと、主人公たち測量部を応援したくなる。それが自然の巨大さに立ち向かうことで…それぞの感情に変化が生じてくるわけですよ。測量部がこの映画のスタッフなら、山岳部はハリウッド映画?相反する二者だけど…実は求める根源的なものは同じなのではと、気づき始めると。

シネコンの座席指定、混雑のためなかなかいい席がなかったので、思い切って一番最前列をチョイスしたんだけど、これが正解!?2時間以上の長い作品なので、途中でトイレに出るお年寄りが尋常じゃない数(絶対にクーラーの効きすぎも影響してる)…上映終了後に、ロビーで中年の主婦グループが映画に集中できなかったと嘆いていた、みなさんも鑑賞時は、多少見づらくても、人が少ない位置を確保した方がいいですよ(笑)


監督:木村大作
出演:浅野忠信 香川照之 松田龍平 仲村トオル 宮崎あおい 小澤征悦 モロ師岡 螢雪次朗 役所広司 


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剱岳 点の記 オフィシャルガイドブック
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