メゾン・ド・ヒミコ(2005年) | 勝手に映画紹介!?

メゾン・ド・ヒミコ(2005年)


2006年3月3日発売、レンタル開始の新作DVD「メゾン・ド・ヒミコ」を鑑賞。初回限定で2枚組というセル版を購入した。「タッチ」「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督作品で、劇場公開時から評判は良かったのだが…先に書いたタイトル2作品が、自分的にはあまり好みではなかったので、正直おっかなびっくりで見はじめたんですけど…これが大当りで凄く良かったのだ!

銀座でゲイバーのカリスマママを務めていた卑弥呼は、引退後にゲイ専門の老人ホームを営んでいたのだが、その彼に死期が迫っていた。そんな卑弥呼には、かつて女性と結婚していた時にもうけた娘が一人いる。しかし、家族を捨ててオカマの道に走った父を憎んでいた。塗装会社の事務員として働く卑弥呼の娘・沙織の前に卑弥呼の恋人を名乗る若い男性が現れ、その老人ホームでバイトをしないかと持ちかける。借金で悩んでいた沙織は渋々、その申し出を受けて、ホームに顔を出すようになるが、最初はゲイに対する偏見が露骨に表れてしまう…。

ゲイに対する偏見という視点で描いているのだが、途中からそんなもん関係なく感じてきた。自分の家庭も身体の不自由な年寄りをかかえているので、人間誰しもぶつかる、体力の衰えだったり、大切にしている身近な人間の死というものを、ストレートに感じさせる内容になっている。

柴咲コウの…口での攻撃に対して、とっても詩的なセリフでやり返すオカマさんたちの姿が素晴らしく、会話のやり取りが物凄く魅力的。ゲイ役のオダギリジョーのクライマックスのセリフなんても、さりげないのだが…ガツンときて凄い良かった。

ギョロっとした、妙に力の入ったキツい感じの目が特徴的の柴咲コウだが…その父親役として、目に大変迫力のある役者・田中泯をキャスティングしたというのは見事である。二人が親子であるという設定を自然に受け止めることができる。

劇中に突如挿入されるアニメシーンの出来が素晴らしい。まるで某美少女戦士もののようなキャラであり、てっきり東映動画さんあたりが本当に描いているのかと思ってしまったほど(実際は違う、全然知らないアニメスタジオだった)。オカマさんが見ている、劇中の昼メロ風のドラマは…映像特典として、初回版に付いてくる特典ディスクに全編収録されていて、しっかり手の込んだ物語りになっていたりするから、ビックリだ。

ジョゼ虎~の作品はあまり好きじゃなかったのだが、DVDの質がすこぶる良かった。今回の作品もその質の良さをちゃんと受け継いでおり、作品内容に見合ったとっても繊細な画調を再現している。音声も、さすが非圧縮のリニアPCMを採用しているだけあって、音楽CD並に研ぎ澄まされたBGMの聴き心地の良さに酔いしれること間違いなし。音だけで映像がイメージできる、ハリウッド映画級の派手なサラウンドも良いが、良質な邦画に合った、こういうしっとりとした音声もたまには魅力的だ。

監督:犬童一心
出演:オダギリジョー 柴咲コウ 田中泯 西島秀俊 歌澤寅右衛門 青山吉良  柳澤愼一 井上博一

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