深紅(2005年) | 勝手に映画紹介!?

深紅(2005年)


2006年2月10発売、レンタル開始のDVD「深紅」をようやく鑑賞。主役の二人より…内山理名の少女時代を演じた堀北真希目当てで早く見たかったんですけど、自分が利用しているGEOには1本しか入荷していなかったので、毎回のようにレンタル中で借りれなくて、よっぽどセル版を買ってしまおうかとも思ったほどだったが、ようやく借りることが出来た(^^ゞ 2004年に自殺で亡くなった野沢尚の原作、脚本というのも話題になっていた作品だ。

杉並で起きた一家惨殺事件…たまたま修学旅行で家を空けていた小学生の娘、秋葉泰子は難を逃れたものの…家族の遺体と対面するまでに何時間も掛かってしまい、この出来事がトラウマとして重くのしかかってしまう。8年後、大学生になった泰子は事件を追っていたルポライターから、家族を殺した犯人の死刑が確定したことを伝えられる。その報せを聞いた泰子は、犯人・都築則夫の娘で、自分と同い年という未歩に会ってみたいと願う。彼女はいったいどんな人生を送ってきたのか?泰子は身分を隠して、未歩に近づいていく…。

物凄く残酷な事件の様子を…直接的なビジュアルは避け、堀北真希の演技だけで、観客にイメージさせる冒頭部分が自分は結構好きだ(決して堀北真希が可愛いから贔屓しているわけじゃないよ)。何かを覚り、諦めに近い表情を見せるタクシーの中の演技…“きっと凄い事件なんだろう”、と事件の壮絶さを見ているこちらも頭の中で予想できる。時に、大人の白々しさが…余計に子供にはダメージを与えてしまうというのを、共演者の南野洋子と上手に表現していた。南野陽子はあまり好きじゃないんだけど、こういう安っぽい大人を演じさせると上手いなぁ。

で、時は経って…堀北真希が成長して内山理名になります。そんなに容姿が似ているわけでもないのだけど…内山理名を見て、すんなり泰子が大人になったんだなって、違和感なく入り込めたので、このキャスティングはうまくいっていると思う。回想シーンなども頻繁にあるので、冒頭以外にも、堀北真希の出番はけっこうあるので、嬉しい。

事件の被害者と加害者…その両方の残された家族に、重くのしかかる大きな傷痕。両者のトラウマが交わり、その呪縛がどう解き放たれていくかが焦点になっていく後半の見せ方はなかなか上手だ。原作は未読だが、原作者本人が脚本も担当しているので、どういう部分を端折り、詳しく描いたらいいのかという按配が非常に上手い。ズッシリと重いテーマを、そこそこのサスペンス度を加味し…スリリングにテンポよく見せきる。サスペンスミステリーといっても、おお、って驚くような大どんでん返しのカタルシスが味わえる作品ではないのだが…憑物が落ちたように、けっこうスッキリさせられるラストにちょっぴり感動。

監督:月野木隆
出演:内山理名 水川あさみ 小日向文世 緒形直人 内田朝陽 塚本高史 堀北真希 平田満 南野陽子

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