NANA-ナナ-(2005年) | 勝手に映画紹介!?

NANA-ナナ-(2005年)

NANA  


【鑑賞日:2005年9月8日】

先週末から始まっている「NANA-ナナ-」をシネコンのレイトショーで鑑賞してきた。いつもは9時過ぎに始まるレイトショーが多いのだが、客層が低年齢だからか(笑)、8時半からの上映と…11時以降終了の上映には、18歳未満は入れないという条例を上手に避けたタイムスケジュールが組まれていた。ということで、若干、うるさいガキどもがいましたが…映画が始まっちゃえば、皆さんおとなしくなられました(笑)それだけ映画が面白かったってことかな?実は、自分も原作は全く読んでいないし…予告で流れていた、電車の中で携帯電話を受ける宮崎あおいの顔と声が妙に可愛かったからという…なんか不純な動機で映画を見に行っちゃったんですけど、そこそこ楽しめましたよ。

歌手を目指して東京行きを決意したパンクバンドのボーカリスト大崎ナナと、彼氏を追いかけ東京を目指す小松奈々は、上京する列車の中で偶然隣り合わせたことから意気投合する。さらに、東京での住まいを探している最中に再び再会…ナナと奈々は一緒に暮らすことになる。

ほんと、原作は全然、知らないんですけど…監督が「アベックモンマリ」「とらばいゆ」の大谷健太郎監督ということで、安心して見れてしまった。ある意味、今までの大谷健太郎作品からかけ離れていないテーマだったので、自分なんかは普通に大谷作品の新作として楽しんでしまったくちだ。普通だったら、ドロドロしそうな色恋沙汰を、サラっとした語り口で、コミカルに見せ、映画のラストでは爽快感さえ味わえる巧みな演出に…大満足。原作がそのままこういうテイストなのであれば…大谷健太郎という監督の人選は、かなりピッタリではなかろうか。大谷監督の前作「約三十の嘘」よりも、らしさがよくでていて…映画として綺麗にまとまっていた。パンフに書いてあったけど原作者の矢沢あいって「下弦の月」の人でしょ?あっちは全然、意味不明だったけど…これは原作なんて読んでなくても、普通に楽しめたよ。

宮崎あおいが演じた奈々の方は…下手すると、さとう珠緒みたいなむかつくバカ女になりそうな感じだが、やっぱそこは宮崎あおいの演技力なんだろうなぁ…可愛らしさが嫌味を感じさせなかった(むかつくバカ女の役は、主人公以外に押し付けちゃったのが良かったのかな?)。彼女のボケっぷりには30男でも、けっこうつられて笑ってしまいましたから。中島美嘉の方は…そんなに好きじゃないんですよ、顔とか、全然好みじゃない。演技もはっきり言ってそんなに上手くないと思うんだけど…歌わせるとやっぱり画になってカッコイイ。それと…松田龍平の前で、素に近い表情で演技するところは、宮崎あおいとは、また違った可愛さがでていて…あれ、けっこうこの娘も可愛いじゃんって思えてきました。やっぱ、この監督は女性の可愛らしさとかを引き出すのは上手ですよね~。

そうそう、松田龍平!?昔は、母親の松田美由紀似なのかなって思っていたんですけど…あの貫禄、優作さんに似てきましたねぇ~。男が見てて、松田龍平のタバコを吸う仕種とか、けっこうカッコいいんですよ…。

いかにも、若いにーちゃん、ねーちゃんをターゲットにしたような、TV局絡みの、中身の薄い映画だと思っていたのですが…この手の作品にある、わざとらしさ、嫌味な演出が少ないので、しっかり大人も楽しめるラブストーリーになっていたから、あらビックリという感じでした。自分よりも、もうちょっと上の世代でも充分、楽しめる映画だと思いますね。

さらに、ビックリしたのが…こういう映画には珍しく、劇場パンフレットの定価が500円という安さ(将来、ヤフオクで値上がりするのを期待して、2冊くらい買っておくのもいいかなって)。それでいて手抜きはせず、ページ数も並にあるし、文章と写真の配分もバランス良く…スタッフ&キャストのインタビューもたくさん載っていて、しっかり知りたい情報が記載されているという…近年、稀に見る、観客に優しい劇場パンフレットで、お驚きである。ほんと、値段が高いだけで、中身が薄いパンフ(特に、大作洋画系やアニメね)が多い中…非常にセンスのいいパンフだった。パンフの作り手は、こういうのを見習って欲しい。


監督:大谷健太郎
出演:中島美嘉 宮崎あおい 松田龍平 成宮寛貴 平岡祐太 丸山智己 サエコ 玉山鉄二 伊藤由奈


【大谷健太郎作品といえば…】
DVD avec mon mari

当時まだまだ新人だった板谷由夏の、どうどうの主演女優ぶりに感服しました。どうみたってベテラン女優のようですよ(笑)対するタモツ役の小林宏史のダメ男(主夫)ぶりがなんとも…。二組の夫婦カップルが妙な四角関係に発展してしまう様子を…ドキュメンタリータッチでありながらも、面白おかしく見せてしまう、大谷監督の商業デビュー作です。めちゃめちゃ面白いです。DVDのオーディオコメンタリーもけっこう笑えますし、特典として8mmの自主制作による大谷作品が収録されています!





DVD とらばいゆ
姉妹女流棋士と、その夫と恋人がまたまた四角関係になってしまいます。瀬戸朝香と市川実日子のワガママ姉妹に振り回される、塚本晋也と村上淳が本当にかわいそうで…。ラブストーリーだけではなく…女流棋士としての勝負の世界もキッチリ描いた、エンターティメントとして非常に完成度の高い映画で、面白いです!






DVD 約三十の嘘 特別版

移動中の寝台特急トワイライトエクスプレスから、詐欺で稼いだ7千万円が消えてしま!一堂に会した詐欺師たちが、騙し騙されながら、真相を探り当てるという密室劇。しかし…大谷監督らしく、ラブストーリーを忘れていません。太谷作品では必ずどこかで出てくる、女と女の戦い…この映画でもしっかり描かれていました。









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