きまぐれオレンジ★ロード あの日にかえりたい(1989年) | 勝手に映画紹介!?

きまぐれオレンジ★ロード あの日にかえりたい(1989年)

後半の文章でややネタバレあり。

別れの映画として思い出したのは、この映画だ!20代後半から30代の人は…けっこうリアルタイムでオレンジロードに夢中になってたんじゃないですかね?自分もその一人なんですけど、TV放送を見て、鮎川まどかに一目惚れしたのが小学校6年頃で…この映画を見に行ったのが、確か中学校2年生くらいでした。

好評のうちに最終回を迎えたTVシリーズ終了後に、“三角関係”に決着をつけるということで、制作された劇場用アニメーションで…TVシリーズの、ちょっぴりHなドタバタラブコメディ的な要素をまるっきり排除し…かなりリアルな恋愛映画として描いた異色作。当時、ファンの間でも、かなり評判は分かれました…。噂によると…原作者もこの映画版にはかなり不満があったらしく…後に、「そして、あの夏のはじまり」という続編を作って、三角関係復活させちゃいましたけどね…自分は、この「あの日にかえりたい」は嫌いじゃないです。

3人でいるのはふ・た・りより寂しい…優しいけれど優柔不断、それが災いして、まどかとひかるの三角関係にいつまでも決着をつけられない超能力少年恭介、不良っぽいけれど恭介とのふれあいのなかで少しずつ変わっていく美少女まどか、そしてまどかに憧れ、恭介に恋する、根っから明るい純情娘のひかるの3人を主人公にして、今の少年少女たちの生活、悩み、そして大人への成長していく姿を、素敵に、ユーモラスに描いています。テレビ・シリーズにはなかった、3人それぞれの気持ちの結末編とでもいえる完全・オリジナルストーリー。(LDジャケットより抜粋)

この作品の魅力の一つでもある、主人公の超能力を一切見せないで、あくまで普通の…いや普通以上にディープでシビアな恋愛映画として描いてしまったことに、TVシリーズのような明るいラブコメを期待していた人たちは拒絶反応を示したらしいです。三角関係に決着をつけるというのが大前提な作品なわけで…ファンとしてはそういうテーマを持ってくる自体に“そんな馬鹿な”って気持ちが大きかったようですが、こういう形で決着をつけるのも、自分はありかなって思います。それがファンの気持ちを裏切る(逆撫でする)ことになっても…。

主人公の出した決断が、あまりにも自分勝手な答えだったので、そうじゃないだろうという反発がかなりあったらしいです。この作品を監督した望月智充氏や、脚本の寺田憲史氏の恋愛感がもろに出ているといった印象でしょうか…。ただ、長く続いたTVシリーズや原作の三角関係という重大テーマを、たった1時間9分で決着をつけるという、内容的に強引さはあるけど…人気アニメの劇場版という制約の中でよく頑張っていると思います。

最初から、“まどか派”だった自分は…当然の結果として、この映画の結末で納得したんですが…自分の周りでこの映画を見た人の多くは、“ひかるちゃんがかわいそう”ということを口にしている。自分はラストカットのひかるちゃんの姿を見て、かわいそうだなんて思いませんでしたね。逆に安心したんですよ。ああ、あの表情はふっきれたんだなって…。そういう風に受け止めたので、アニメ版のオレンジロードは自分の中では終わっていました。いくつか、原作のエピソードで未アニメ化だったものを単発的なOVAにした新作がありましたが…それはこの映画より前の話だと思えば、何の問題もありません。

でも、数年後に…キャラクターデザインを一新して(担当者が変わった)、「そして、あの夏のはじまり」なんて続編映画作っちゃったんですよね…。

最後に、この作品で凄く好きなシーンが…劇中、恭介とまどかが映画館で「タッチ 背番号のないエース」を観ているシーン。いや、これは最初見たときビックリしました。いきなりオレンジロードの中に、あだち充のキャラクターが出てくるんですから(笑)しかも、当時、同時上映の作品がちょうどあだち充原作の「陽あたり良好」だったのだ。映画舘で見ている時は、一瞬映写ミスか何かかと思いましたよ。

そういえば…きまオレって、DVD全然出てないですね。自分はTVシリーズも、劇場版もOVAも…ほとんどLDで所持してるので、今のところ問題ないのですが…この作品のDVD化を待ってる人は、けっこういるんじゃないですかね?

監督:望月智充 原作:まつもと泉
出演:古谷徹 鶴ひろみ 原えりこ 富沢美智恵 本多知恵子 富山敬 屋良有作


【関連商品の検索】
ビデオ:きまぐれ★オレンジロード
書籍:きまぐれ★オレンジロード
CD:きまぐれ★オレンジロード


【望月智充監督作品といえば…コチラがお薦め!】
海がきこえる
劇場版めぞん一刻 完結篇
望月監督って、アニメで意外とリアルな恋愛を描くんですよね…。けっこう実写映画的な題材が多い気が。物語の中で、劇的な展開があまりないという印象もある。










人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!