若山富三郎inブラック・レイン、ドライブイン蒲生、2つ目の窓、ドラッグ・ウォー 毒戦他 | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『ブラック・レイン』(午前十時の映画祭)
『ドライブイン蒲生』『2つ目の窓』
『ドラッグ・ウォー 毒戦』『新しき世界』
8月1日~3日に観た映画









8月1日~3日に5本映画観ました。
1日に5本観ることもたまにあるので、
自分としては3日で5本は多くないのですが、
最近体力と気力が少々バテ気味。
ブログの更新もツィートもサボってしまいました。

午前十時の映画祭で久しぶりに観た『ブラック・レイン』
公開当時は松田優作さんが亡くなってすぐに観たので、
優作さん凝視で観てしまいましたが、
高倉健さんはやっぱり素敵だし、
最近良く見る安岡力也さん、神山繁さんや、
ガッツ石松さん、内田裕也さん、國村隼さんなど、
この昭和の男たち、
今の力作の韓国映画にも負けない面構えだなァって、
感慨深く観ましたよ。
で、もう、これ一緒に観に行った娘も
迫力あり過ぎだった~!って言った、
若山富三郎さん
の格好よさには痺れました!

優作さんの鬼気迫る迫真の演技は、
やはり素晴らしいですが、
終盤の2人の対決には息が詰まりましたね。
昔はここ、「セットがヘンだわ~」って、
余計なこと妙に気にしてしまいましたが、
その教訓から今回はお二人の芝居に集中しました。

日本人キャストの皆さんの英語のセリフも、
アメリカなどで撮ったシーンの訛った日本語より、
上手いんじゃないの?って、これ贔屓目!?
昔は優作さんの遺作ってことで、
優作さんの演技が特にフィーチャーされていたけど、
今見直してみて、
日本人男優の演技、
みなさん見応えあるな~って改めて思った次第です。

アンディ・ガルシアも
まだこんな可愛いらしい頃だったんだナ~。
90年代前半くらいまでは彼の映画も結構観てたよな。
とか思いました。

マイケル・ダグラスはマイケル・ダグラスですね。








若山富三郎さんを一番最近見たのは、
チバちゃん祭りの『魔界転生』(柳生宗矩)で。


この炎の中の対決、恰好良かった~








鈴木則文監督追悼上映で新文芸坐に行って、
予告を何度も見て、
見逃していたので無性に観たくなってしまった、
ジョニー・トー先生の『ドラッグ・ウォー 毒戦』が、
『新しき世界』と2本立てでした。
私はジョン・ウーより(ジョン・ウー映画も観ますが)
ジョニー・トー派なんです!
『新しき世界』はキネカ大森で
『結界の男』と2本立てで観ましたが、
今回また観てしまいました。
いや~『ドラッグ・ウォー 毒戦』『新しき世界』
この2本、
今の日本映画にはないギラギラ系な男たちの
見応えのあるアクション映画なのだけど、
昔の日本映画へのリスペクトも感じる訳で。
この2本立て2日(土)に観て、
3日に『ブラック・レイン』観て、
お~!昭和の日本人俳優のみなさんも、
ワールドワイドに通用するカッコイイ面構えだよな~
って感動しましたよ。
今の日本の若い俳優さんたちに
全く魅力がないとは思っていませんけど、
スマートな良い子が多いですよね。
人としてのスケールが大きくない。
時代も違うから仕方ないんだけど。


で、
若い俳優たちが魅力的に撮られている
2本の新作映画も観ました。
『ドライブイン蒲生』たむらまさきさん(監督・撮影 1939年生まれ)
『2つ目の窓』山崎裕さん(撮影 1940年生まれ)です。
2本とも、
70歳を超えている大ベテランカメラマンの
素晴らしい仕事ぶりを見ることができました。

この大ベテランカメラマン2人の撮影技術、画力、
これ若い人映画人には絶対観て欲しいです。
2人ともドキュメンタリー出身です。
年齢なんて関係なく事物・事象を見る目が
全く錆びていないんですね。
軽やかで若々しい感覚とカメラワーク。
(かのK・DAI(大)先生監督・撮影作品と
見比べるのも興味深いですよ)



『2つ目の窓』
これ、劇場公開前にWOWOWで先行放送されたこともあり、
既にかなりたくさん賛否両論出ています。
書き込みサイトなど
レビューとも言えない
酷い書き込みが多く驚きます。
この酷い書き込みなどは女性差別的な深層心理や
やっかみも透けて見えます。
書き込みサイト以外でも、
「最高傑作」と自分で言うべきではない、
傲慢で恥ずかしい行為だ、
といった批判を本当にたくさん目にしました。
彼女は転んでもただでは起きない賢い人なので、
発言も計算ずくのはずなんですね。
カンヌ映画祭での受賞、審査員まで経験して、
アピールの仕方のポイントも
経験上掴んで来た上の言動と冷静に見ておきましょう。
そして、この『2つ目の窓』を
劇場鑑賞するに当たっては、
悪い評判も良い評判も一旦脇に置いておいて、
フラットな気持ちで観ることをおススメします。
『2つ目の窓』は、
やはり劇場鑑賞すべき作品です。
「見ないでよい」とまで書いている人もいましたが、
この映画のクオリティーまで行っていない作品は、
ごまんとありますから。
カンヌで無冠とかコケタとか書かれていますが、
コンペティション部門をはじめとする公式部門、
公式部門外でも関連して開催されるセレクションに、
エントリーされる事だけだって作品レベルの目安になります。
ネットでの目につく日本の評判に左右されて、
鑑賞しないと決めたり、
鑑賞眼にフィルターがかかってしまうのは、
残念なことだと思います。
今の日本映画界は国内市場で
井の中の蛙化している面が強いですから、
ネットの評判を見るのにも
冷静な判断力を忘れないようにしたいものです。
『2つ目の窓』に関しては、
TV放映で見て書いている人が多いですからね。
やはり劇場で自分の目で観て評価するのが一番大切です。
酷評されるような程度の低い作品とは思いません。
私は河瀬監督作品は、
劇映画よりドキュメンタリー映画が好きで、
実は劇映画はあまり好きな作品がありません。
今回は河瀬監督の言葉通り、
問題点はあるにしても、
今迄の「劇映画の中では最高」なのではないでしょうか。
個人的にはそう思いました。


そして、
錚々たる多数の名監督たち、
若手監督たちとも仕事をしてきた
(小川紳介、 岩佐寿弥、佐藤真、
東陽一、藤田敏八、伊丹十三、
黒木和雄、柳町光男、池田敏春
崔洋一、相米慎二、石井聰亙、
高橋伴明、青山真治、黒沢清、
林海象、諏訪敦彦、萩生田宏治、
豊島圭介、池田千尋、鈴木卓爾
河瀬直美『萌の朱雀』も、たむらさん撮影)
たむらまさき(田村正毅)さんの、
75歳の監督デビュー作(撮影兼任)
『ドライブイン蒲生』



映画はこうやって撮るんだよ。
映画は映像で語るものだよ。
って、何気に優しく見せてくれています。
5日間で撮ったインディー映画です。
これでちゃんと映画になるんです。
しっかり作り込んだ重厚な映画や、
エンタメ作品が好きな方には、
特におススメはしません。
でも、しつこいですが若い映画人、
映画人を目指す人にはぜひ観て欲しいです。
初日初回の上映を観終わった若い女性たちが、
「若い監督の作品と思って観ていたら、
監督おじいちゃんだったから驚いた」
と話していました。
本当に軽やかでムリをしていない映画です。
初日1回目の後と2回目の前に、
監督とキャストの舞台挨拶があり、
私は音楽担当のヤマジカズヒデさんの演奏もあった
舞台挨拶付の2回目の上映で観ました。
映画通だったら知らない人はいないはずの
たむら氏です。
これまでの仕事はここ←クリックでどうぞ。
(『ドライブイン蒲生』公式HPのたむらさんフィルモグラフィー)
本当に一流の芸術家は、
一生現役で自分の創造への努力を
惜しまない人が多いですね。
たむらさん、また監督したいと言われてました。
たむら監督は言葉は少なく、
「これは『映画』です。」
と言われたのが印象的でした。
キャストのみなさんはとても楽しい現場で、
離れたくなかったと言われてました。


『ドライブイン蒲生』主演の
黒川芽以と染谷将太とたむら監督


ここに書いた映画の感想は、
またそれぞれ書こうと思っています。
最近の私には珍しく新作映画も2本観た週末でした。


『かしこい狗は、吠えずに笑う』



『かしこい狗は、吠えずに笑う』
北海道フィルム・アートフェスティバル
会場:札幌シアターキノで上映
8月31日(日)
9月1日(月)


400表



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