くじけないで 感想/八千草薫上品で素敵、武田鉄矢ダメンズ、伊藤蘭しっかり者 松竹映画の伝統を感る | 映画時光 eigajikou

映画時光 eigajikou

世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『くじけないで』
日本映画 2013年製作
TOHOシネマズ浜松で鑑賞







↓予告



監督・脚本:深川栄洋

原作:柴田トヨ

主題歌:由紀さおり

出演:

八千草薫   柴田トヨ

檀れい    柴田トヨ(若い頃)

芦田愛菜   柴田トヨ(幼少時)

武田鉄矢   柴田健一

尾上寛之   柴田健一(若い頃)

伊藤蘭    柴田静子

黒木華    柴田静子(若い頃)

鈴木瑞穂   柴田貞吉

橋本じゅん  柴田貞吉(若い頃)

上地雄輔   上条医師

ピエール瀧  藤巻

上神田らら  藤巻の娘

池脇千鶴   ハローワーク職員

でんでん

90歳を過ぎてから詩作を始め、2013年1月に101歳で他界した詩人・柴田トヨの詩集を映画化。処女詩集で160万部を売り上げた「くじけないで」と第二詩集「百歳」を原作に、詩を書き始めたきっかけとなるエピソードや詩集の背景となった家族のドラマなど、トヨの人生を描いていく。八千草薫が「蝶々夫人」(1955)以来58年ぶりに主演を務め、77~92歳までのトヨに扮するほか、幼少期を芦田愛菜が演じる。息子役で武田鉄矢が共演。「60歳のラブレター」「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとった。(映画.COMより)

  
松竹映画の伝統が息づく人間賛歌
このまま山田洋次監督の映画が撮れそうな
豪華キャストの
誠実な演技を堪能できます(^-^)/


でも、ちょっと長すぎて
私は睡魔でくじけそうに。(´д`lll)


まだ書いていないのですが、
松竹出身の森崎東監督『ぺコロスの母に会いに行く』は、
インディ映画ですが、
松竹大船映画の香りがしました。
この『くじけないで』は松竹映画です。
このままのキャストで山田洋次監督の映画が撮れそう。
監督はPFF出身の深川栄洋監督(37歳)ですが、
松竹大船映画のテイストがしっかり出ている、
安心して観ていられる上品な人間賛歌ドラマでした。
私は深川監督の『狼少女』(2005年)が好きです。
昭和の香りがする切なさが良かったのですよね。
狼少女 [DVD]/
鈴木卓也,大野真緒,増田怜奈


深川監督もメジャーでの仕事を何本も経験して洗練されました。
待機作は自分のヒット作『神様のカルテ』の続編、
『神様のカルテ2』(こっちは東宝映画)。
今回の『くじけないで』は、
美智子様も観たというステータスもつきましたョ


昭和を生き抜いて、
90歳を過ぎてから詩人デビューした柴田トヨさんを、
八千草薫が上品に、素敵に演じています。
この映画は観ようかどうしようか迷っていましたが、
今の八千草さんの主演の演技を観ておきたいと思いました。
今年は木下惠介監督の映画を積極的に観てきたので、
この『くじけないで』は松竹大船映画の味がしそうなのも
気になっていました。

八千草さんの繊細な演技は素晴らしかったです。
トヨさんの詩のように飾らない、無駄がない、
でも、人の心にじんわり届く、そんな演技です。

武田鉄也は『幸福の黄色いハンカチ』の花田欽也の
30年後のイメージだったそうですが、
まさにそんな感じ。
優しくて憎めないけど、ダメンズな健一を好演していました。
監督に「今、金八先生に見えてしまいました」と、
指摘されてやりなおしたこともあったそうです。

伊藤蘭は、なんでこんなダメ夫を見捨てないのだろうという疑問を
納得させる強さと優しさを出していました。

その他のキャストもこのドラマの世界の住人にふさわしかったです。
ピエール瀧は小学生の娘に心配されてしまう、
妻に逃げられたやもめ男の情けない感じ良く出ていました。
『凶悪』とは真逆なタイプで演技の幅を見せてくれます。
でんでん、池脇千鶴もちょっぴり出てきますョ

私はトヨさんの詩集は読んでいませんでしたが、
いかに言葉を削ぎ落としシンプルな作品にするか、
彼女のその美学が、劇中に出てくる詩からも伝わってきました。
すぐ余計なことを書きすぎてしまう私は見倣わなければと思いました。

この映画は誠実な良作だと思いますが、
尺が128分は長いです。
上地雄輔の上条医師のエピソードなどは長すぎと感じました。
昨日の夜『永遠の0』の試写会で夜出かけたので、
寝るのが遅くなり寝不足だったこともありますが、
実は上条医師のエピソードの所で、
睡魔に襲われました(´д`lll)
色々な年代の人に観て欲しい映画でしょうけど、
年配の人が主なターゲットになることは明らかだし、
トヨさんの削ぎ落とし精神を見倣って、
90分くらいにまとめてほしかったです。

人生いつからでも新しいことに挑戦できると、
ポジティヴな気持ちになれる映画です。
そういう映画は結構ありますが、
彼女は90歳過ぎてからの挑戦ですから、
誰にでも希望を与えてくれますね。

トヨさんはこの映画の完成を楽しみにされていましたが、
今年1月に101歳で亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。

八千草さんの優しい笑顔を見ているだけで、
なんだか暖かい気持ちになれるんですよネ(*^▽^*)
トヨさん、八千草さんのような素敵な年齢の重ね方をして、
暖かくて優しい笑顔のできる女性になりたいけど、
人生100回くらいやり直さないとダメそうですョ(/_;)/~~








やはり今年大活躍の黒木華が、
伊藤蘭の若い頃似合っていました。





本年度アカデミー賞最有力候補!本当の所
2014年第86回アカデミー賞作品賞ノミネート予想
←クリック

2014年アカデミー賞作品賞ノミネート予想作品の動画・あらすじ紹介
 その1
←クリック

2014年アカデミー賞作品賞ノミネート予想作品の動画・あらすじ紹介
 その2
←クリック


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版
25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク

フォルツア総曲輪(富山)


12月21日(土)~27日(金)


東京 下高井戸シネマ
12月23日(月)~28日(土)レイトショー上映

21:10~22:48

一般1300円 / 大学・専門1100円
高校生・シニア・火曜日みなさま1000円
会員900円

松山 シネマルナティック

2014年1月3日(金)~10日(金)


東京 キネカ大森

2014年1月4日(土)~10日(金)

★『箱入り息子の恋』と2本立てビックリマーク



カチンコ読んで下さってありがとうございましたビックリマークランキングに参加してます映画にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへこれをクリックしてもらえたらうれしいです音譜


読者登録してね