そして父になる感想その2尾野真千子真木よう子風吹ジュン樹木希林中村ゆりの女性陣と滝本幹也のカメラ | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『そして父になる』

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『そして父になる』は、
福山雅治とリリー・フランキーの男性陣も
素晴らしい演技を見せていますが、
(夏八木勲さんは福山雅治演じる良多の隠されていた面を、
少ない出番ながら的確に伝えてくれる流石の演技です。)
女優陣も本当に素晴らしいですクラッカー
尾野真千子、真木よう子、風吹ジュン、樹木希林、中村ゆりが、
それぞれに立場や性格や環境、背負っている人生も、
違う母親たちを演じています。
出番は少ない風吹ジュン、樹木希林、中村ゆりもとても印象に残ります。

尾野真千子と真木よう子には本当に泣かされましたョ。
特に涙腺全開になってしまった所が、
尾野真千子のみどりと慶多が電車で
東京に帰ってくるシーンでした。
セリフと演技(これに泣けたのですが)
と光の陰影と流れがすごくマッチしていて、
でも、狙って作った感じではなく、
流れにライブ感があって本当に素晴らしかったのです。

パンフを読んだら撮影の滝本幹也がこのシーンがベストショットだと
語っていました。
光の具合など狙ったわけでなく、
偶然も重なって奇跡的に撮れたシーンだそうです。

今回の撮影の滝本幹也は元々写真家で、
CMなどの映像作品も手掛けていますが、
長編は本作が初めてです。
今までの是枝作品は、
『幻の光』(中堀正夫)『空気人形』(リー・ピンビン)
を除いて、山崎裕が担当してきました。
滝本幹也は『空気人形』でスチール写真を担当しています。
ペ・ドゥナのこの印象的な写真も滝本幹也です。↓
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空気人形 [DVD]/
ぺ・ドゥナ,ARATA,板尾創路


滝本幹也のカメラに不満を述べている方もみえましたが、
私は写真家の瞬間を逃さない鋭い感性が、
『そして父になる』では印象的なシーンを
たくさん捉えていて、効果的で素晴らしいと思いました。
光や時間の流れに対するこだわりがとても活かされた映像になっています。
山崎裕は1940年生まれの大ベテランですが、
滝本幹也は1974年生まれでまだ若い。
これからもきっと長編映画の撮影もしていくでしょうから、
映画撮影の仕事も楽しみです。
パンフレットにはグラフィックスチールも担当した滝本幹也の
素敵なスチール写真がたくさん載っています。

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是枝監督と滝本幹也氏


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トロント映画祭で是枝監督とニコール・キッドマン


今年のカンヌ映画祭のコンペティション部門の審査員だった
ニコール・キッドマンは、
「後半1時間涙が止まらなかった」そうです。
9月に開催されたトロント映画祭で、
スペシャル・プレゼンテーション部門に出品された『そして父になる』
是枝監督とニコール・キッドマンは3か月半ぶりに再会。
「私には、実子と養子と代理母で産んだ子がいて、
その子たちを同時に育てているので、
本当に心に刺さる内容だったの。
その子供たち全員と一緒にいることが、
今何よりハッピーなことだから」と本作を改めて評価し、
「是枝監督の次の作品にはぜひ出たいわ!」
と是枝作品への参加に意欲を示した。(ヤフーニュースより)
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この作品は母親の立場で観てもグッとくるところが
たくさんあります。

子どもがいる父親は、
早くから父親になれる人もいれば、
「そして」父になる人もいれば、
結局なれない人も中にはいると思います。
同性婚カップルや子育てを主に父親が担当する場合を除いて、
真木よう子のゆかりのセリフではないですが、
母親は「そして」なんて悠長なことはしていられません。
それを世の男性にぜひ少しでも理解してもらいたいです。
リリー・フランキーの雄大が
福山雅治の良多に「父親の代わりはいないよ」と言いますが、
本当に、お父さん方、
子どもはあっという間に大きくなります。
どんなに仕事が大変でも、
子どもにとって父親はあなただけなのです。
仕事を言い訳にしていると「そして」父になる、
こともできないかもしれませんよ。
これ、経験から実感込めて書いてますσ(^_^;)

この映画は子どもがいる人にはダイレクトにズシンと来ます。
でも、人は生まれてきたからには、
どんな存在にせよ母と父がいます。
ですから、
この映画で描かれている事にはおおいなる普遍性があります。
言語の違い文化の違いを越えて、
伝わるものがあるからこそ国際的な評価も高いのです。
出来れば「どう評価しようか」といった色眼鏡を、
一旦はずして素直な目で見て戴きたい作品です。

リリー・フランキーは『凶悪』とこの作品で、
助演男優賞狙えますね。
でもこの映画で中村ゆりの夫役でちらっと出た、
ピエール瀧も『凶悪』で助演男優賞狙えそう。
尾野真千子は繊細な演技が本当に素晴らしいし、
真木よう子は『さよなら渓谷』とは、
また違った魅力を見せてくれて素敵です。
福山雅治も頑張っています。
とにかく今年の日本映画の各種賞レースを、
この作品がにぎわすことは間違いないでしょう。
映像も演技も音(音楽含め)も、
映画館でじっくり味わうことをおススメします。


『空気人形』のリー・ピンビンが撮影した、
川口浩史監督の『トロッコ』
これは尾野真千子が若い母親を演じています。
2010年の私の日本映画マイベスト1の作品でした。
トロッコ [DVD]/
尾野真千子


滝本幹也のCMの仕事↓
トヨタReBORN・大河シリーズ


サッポロ黒ラベル・大人エレベーターシリーズ↓
リリー・フランキー篇もあります。スゴイ面子ですネ、これ。


滝本幹也の写真集

SIGHTSEEING/リトルモア



LAND SPACE/青幻舎



バウハウスデッサウ/ピエブックス



LOUIS VUITTON FOREST/幻冬舎


社会派の仕事↓

写真家・瀧本幹也氏による六ヶ所村フォトレポート。
「六ヶ所村がどんな場所なのか、実­際に行ってみないとわからない」
stop-rokkashoに参加する瀧本幹也さんと­石川直樹さんのお二人が、
06年11月19日~21日、プライベートで六ヶ所村を訪れました。
そこで見た風景、暮らし­の断片。
瀧本さんのカメラが切り取った六ヶ所村です。(概要より)

さて、私は今日、山崎裕が撮影を担当した、
『樹海の2人』を浜松シネマイーラへ観に行きます。
TOHOシネマズのフリーパスポートが今月いっぱいなので、
『そして父になる』ももう一度観たいし、
今週末は先ず『地獄でなぜ悪い』観なくては。
ラストスパートします。


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25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク
仙台桜井薬局セントラルホール11月23日~29日公開決定



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