みなさん、さようなら/濱田岳が12歳~30歳を1人で熱演!中村義洋監督との5作目は意外な骨太映画 | 映画時光 eigajikou

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浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『みなさん、さようなら』
3月15日(金)まで
浜松シネマイーラで鑑賞
これから鑑賞される方に、問題ない程度のネタバレがあります。

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隣の同級生松島有里役を好演の波瑠

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予告はこちら↓


監督:中村義洋

出演:濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、
   波瑠、ナオミ・オルテガ、田中圭 、
   安藤玉恵、ベンガル、大塚寧々

団地で暮らす12歳の少年・悟は
“ある出来事“がきっかけで、
一生、団地の中だけで暮らしていくことを決意する。
彼は団地の中で目覚め、眠り、恋をして、友達を作り、働く。
しかし、かつての友達は少しずつ減っていき、
恋人までもが彼の前を去ろうとし……。

久保寺健彦の同名小説を、
『アヒルと鴨のコインロッカー』や『チームバチスタの栄光』
などで知られる中村義洋監督が映画化した異色の青春映画。
ある日、突然「一生、団地の中だけで生きていこう」
と決めた主人公の数奇な人生を描く。
中村監督と数々の作品でタッグを組んできた濱田岳が
主人公の12歳から30歳までを演じる。
(ぴあ映画生活より)

原作は読んでいないので、
チラシや予告を見る限りでは、この作品、
ノスタルジー系青春ホロ苦コメディーかなって感じしてました。
ところがこれはなかなかに骨太な映画でした。
私はこれまでに観た中村義洋監督作品のベスト1は
『ルート225』でした。
ルート225 [DVD]/多部未華子,岩田力,崔洋一


でも、これからは、
『みなさん、さようなら』にしようかと考えている所です。

濱田岳の12歳ってどんなだろうと思いました。
彼は1988年生まれの24歳ですが、
12歳から30歳まで同じ容姿で演じているのに、
どの年齢でも、その年齢のように見えてしまうのがスゴイ(ノ゚ο゚)ノ

彼が演じる悟が、
「団地の中だけで生きる」決心をした理由がとても重要です。
この理由が全然コメディーではないので、見応えがあります。
そして、説得力のある理由で、
私はかなり共感できました。
悟ほどへヴィーな体験ではありませんが、
幼児の時と、小学生時代に体験したことで、
今でも鮮明に記憶に残っていて、
悟とちょっと似たような感覚を持ったことがあるからです。

悟がこのトラウマを克服するのには、
ずっと彼のことを見守り支えてくれた母(大塚寧々)の
存在の喪失を経ねばならないのですが、
その時、彼は真の自立、再生をして、
自分の人生を団地内から解放することができます。

キャストが皆それぞれいい仕事をしていました。
悟を見守る存在の大人、母親の大塚寧々と就職するケーキ屋主人のベンガル。
『だいじょうぶ3組」でも質の違う勘違い先生を演じていた中学の担任安藤玉恵。
各々とても味のある役でした。
同級生では、隣の家の波瑠がクールな美少女を好演。
永山絢斗はいじめられっ子で気の弱い不登校生薗田が
精神を病んでいく様を上手く表現していました。
ナオミ・オルテガが悟の再生のきっかけとなる存在のブラジル人少女マリアを、
悟といいコンビで演じていました。
マリアの継父堀田役田中圭は、本性を隠したイヤらしい感じが似合ってました。
恋人役の倉科カナは評判通りちょっとあの時代のぶりっ子苦しかったかな!?
でも、心変わりしていく様は良かったと思います。

軽いコメディーっぽいからスルーかなと、
考えた方にもぜひ見て戴きたい作品ですビックリマーク
私は『横道世之助』もこの作品も、主人公と同世代。
主人公の生きた時代を同じ年齢でライブに体験しているので懐かしかったです。

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中村監督作品で濱田岳出演作は他に
井坂幸太郎原作もの、
『アヒルと鴨のコインロッカー』(瑛太と濱田岳ダブル主演)
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]/
濱田岳,瑛太,関めぐみ


『フィッシュストーリー』
フィッシュストーリー [DVD]/
伊藤淳史,高良健吾,多部未華子


『ゴールデンスランバー』
ゴールデンスランバー [DVD]/
堺雅人,竹内結子,吉岡秀隆


『ポテチ』(濱田岳主演)
ポテチ [DVD]/
濱田岳,木村文乃,大森南朋


以上の4作品に出演しています。

チラシの写真は写真家本城直季の作品です。
ミニチュアのように見えますが...
大判カメラのアオリ(ティルト)を利用して
擬似的に被写界深度の浅い写真を撮り、
実際の風景や人物などをミニチュアのように見せる手法で知られる。
「small planet」で2006年度木村伊兵衛賞を受賞。(Wikipediaより)

みなさん、さようなら (幻冬舎文庫)/久保寺 健彦


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