『ローマ法王の休日』この役割は自分にはとても務まらない。昇進したくない。と悩んでいる人におススメ | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
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『ローマ法王の休日』
11月16日(金)まで

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予告はこちら↓



監督:ナンニ・モレッティ
出演:ミシェル・ピッコリ、ナンニ・モレッティ、イエルジ―・スチュエル
   レナート・スカルパ、マルゲリータ・ブイ

コンクラーベで予想外で新ローマ法王に
選ばれてしまったメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)。
気が弱く謙虚な彼は就任スピーチを前に逃げ出し、
システィーナ礼拝堂にとじこもってしまう。
精神科医(ナンニ・モレッティ)が呼ばれるが、自由な診察ができない。
彼はメルヴィルの素性を知らない医者の診察を薦める。
診察を受けにローマの街に出た時、
警護の隙を盗んで、一人で逃亡するメルヴィル...
3日間の逃亡の後ヴァチカンに戻り、改めてバルコニーに立つ彼の演説は...

すみません、この映画を先入観なく観たい方はここから先は読まないでくださいね。
ただ、ネットで色々感想を読むと、
お伝えしておいた方がよいのではと思うことがあります。
ネタバレはしてませんが、映画の本質に触れる記述をします。


『ローマの休日』をもじった邦題、
ドタバタコメディー風の予告を観て、
ナンニ・モレッティ監督の作風を考えるとちょっと違和感がありました。

それは、例えばマイク・リー監督の『家族の庭』の予告を観たときの思いに似ていました。
予告はハート・ウォーミングな癒し系の作品みたいな感じに作ってあったので、
シニカルに人間の本質に切り込む痛い映画を作ってきたマイク・リーが、
癒し系の映画なんて作るか!?と思ったのです。
映画はやはりマイク・リー節で、
リアルな人間描写が、いるいるこんな人!と、
思えて、面白くはあるのだけど、
全然癒し系なんかじゃない、辛辣で痛い映画でした。
私は癒し系は好きじゃないので、とても良かったですが、
(痛い映画大好き!)
予告どおりの癒し系と思って、それを期待して観た方がいたら、
びっくりしたと思います。

前置き長くなりましたが、
『ローマ法王の休日』は、どたばたコメディー調の自分探し映画ではないです。
『ローマの休日』や『英国王のスピーチ』のような
カタルシスや、ほのぼの癒し系を期待してご覧になると、
ちょっとまずいことになります。
映画が面白くないという意味ではないのです。
『英国王のスピーチ』を当てた配給さんが、
同様な客層にヒットを狙った宣伝をしてるのだと思います。

だから、できれば、予告や宣伝コピーのことは
映画の本質とは別物と考えて観て戴きたいです。

突然、全く想像もしていなかった大変な責任のある役割に
就かなければならなくなった、
その役割に自分が向いているとも、耐えられるとも思えない人が、
とてつもないプレッシャーにどう対処するのか。
本当にそんなことになったとき、安易で明快な答えがあるとは思えませんよね?
どんな人でも苦悩の末に決断するでしょう。
どうかメルヴィルの悩みにつきあってみてください。
ミシェル・ピッコリの演技は素晴らしいので合格

くすっと笑える場面、風刺の効いた場面はたくさんあるし、
本物のヴァチカンかとみまごうセットは豪華です。
似ている歴史的建築や場所を探してロケされているのも違和感なく見応えあります。
実際のローマの街中や、遺跡なども使われています。

いろいろ考えさせられる映画で、悩みのある方にこそおススメしますビックリマーク


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2011年のカンヌ国際映画祭の正式出品作品だったので、
その時の監督(中央)とキャスト ↓


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ナンニ・モレッティ監督は、2001年に『息子の部屋』で、
カンヌ映画祭の最高賞パルムドール受賞。

息子の部屋 [DVD]/ナンニ・モレッティ,ラウラ・モランテ,ジャスミン・トリンカ


そして今年のカンヌ映画祭の審査委員長でした。↓

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↑左からナンニ・モレッティ審査委員長、審査員のダイアン・クルーガー、
ユアン・マクレガー、ジャン・ポール・ゴルチエ

『天使と悪魔』(ロン・ハワード監督)でも、コンクラーヴェが描かれていました。
犯人は、ユアンでしたが、
映画のはじめの頃、トム・ハンクスが犯人から送られてきた脅迫ビデオを
観ると、ビデオの声がユアンの声まんまで、
あれっ、なんだ犯人はユアンか。と分かってしまい、
その後居眠りしてしまいましたぐぅぐぅ
「よくあるパターンだけどボイスチェンジャーかけるとか、
クリスチャン・ヴェールがバットマンになった時の、
変な低音かすれ声とか、なんか工夫して欲しかったヨー!」
と、娘に言ったら、
「私は気付かなかったし、そんなの気付くのお母さんだけだって。」と言われました。
まあ確かに私は声フェチだし、ユアンが好きだから気付いたんですかネ...
他にも気付いた方きっといると思うんだけどなァ。

          『天使と悪魔』で、かわいそうな役だったユアン↓


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