15時17分パリ行きは傑作なのか? 東映映画その後の仁義なき戦い | 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

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やくざ映画全般、時代劇、馬鹿映画、空手映画が大好き。写真は竜虎一代より鶴田浩二と佐久間良子

皆さんこんばんわ、15時17分パリ行きを見て血圧が200オーバーになり具合が悪い、大雑把で割と細かい性格の高血圧痛風親父です。今シェイプオブウォーターを見ると確実に250が予測され見るのを躊躇しております。やはり人には向き不向きというのがありますからね。

今日は福岡は天気でありましてワタクシ洗濯を黙々とこなしておりました。意外にも家事にマメでもありカミさんには重宝がられております。平たく言えばこき使われているのですがね。
 

本題に入る前に・・・

皆さんはイーストウッド自身が監督したセンチメンタルアドベンチャーという映画をご存知でしょうか?ん?そんな映画聞いたことも無いなあと言われる方が多いと思います。

 

1982年製作なので今から36年も前の映画です。公開は1983年4月で地方公開しかされず冷遇された忘れられた映画です。彼自身の生き様をまだ幼い息子に残しておきたい・・その思いが詰まった秀作です。

 

私の中ではグラントリノより,1,5倍良いです。昨今見直されたプレイスインザハート,レスラー、華麗なる週末を融合したような映画といえばわかりやすいのではないでしょう。グラントリノはセンチメンタルアドベンチャーの焼き直しがだとも言えます。


 

 

「15時17分パリ行き」

 

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これで満足できますか?


彼らがどういう子供だったのか?それに対して親はどういう教育をしてきたのか?その後の3人はどんな生きた教育をうけてきたか?実際のテロシーンを短くして3人の幼少期からの背景を描く切り口はとてもいいと思います。テロにまつわる部分を広げると彼らが単なるヒーローで何故行動できたか?その部分がないサスペンス映画に終わっていたと予測されます。イーストウッド監督はそこにフォーカスするのを敢えてやらず違う面に焦点をあわせたのです。勿論サスペンスを撮っても彼の力量なら上質のものが出来たと思われます。

処女作「恐怖のメロディ」は実に上手い映画でしたから・・・

 

俳優は映画に奥行きを生み出す

 

登場人物がたとえ本人であってもそれは事実ですが表現のパフォーマンスが優れているのとは似て非なるものです。例えばカットを細かく繋いでいくのならば良いかもしれませんが、一連の動きをすると綻びがでます。映画は甘くないですから。映画は全部映し出すのです。特にアップのシーンを見せられると能面さがまるわかりになります。プロの役者は佇まいを作り出し、そこにいるだけで説得力を出し、作品に厚みと豊潤さを生み出すのです。本作品はどこかふわふわして重みが感じられないのは、そこにあるのかもしれません。

 

 

0,0005%の確率なのを知る

テロの犯人が不発だたっため取り押さえることができましたが、不発の確率は2000発に1つと言われています。こんな確率なのに猛進した主人公は果たして勇敢なのでしょうか?ただの命知らずだといわれてもおかしくありません。一般的には撃たれて大怪我、もしくは命を落としているのです。たまたま、運よく、奇跡だったのです。この事実を果たして軍人の主人公は知っていたのでしょうか?軍隊で習得したその後の技術は奇跡の下で成り立っていたのを私たちは知るべきです。

 

本日の東映映画

「その後の仁義なき戦い」

1979年製作 工藤栄一監督

 

 

さあやってまいりました。今回も男の偏差値だけは向上するも学業には一切役に立たない愛すべき東映映画をご紹介していきましょう。

啓蒙しようとする視点がほぼゼロという潔さが東映のオトナの部分かもしれませんね。手に汗握るプラス覗く これが基本軸です。

 

成田三樹夫を満喫する映画

 

はい、本作品は成田三樹夫の極悪ぶりを堪能するうってつけの映画になっております。根津甚八、宇崎竜童、松崎しげる、原田美枝子の新人は成田三樹夫の怪優ぶりに喰われてしまっております。

 

画面上では新人四人が占めますが所々に現れる成田ミッキーの圧にのまれています。自分が生き残るために甘い言葉をかけ調子のいいことだけ言って散々利用しておきながら用事が終わると・・・

 

はあ?ワシは知らん、そんな約束は知らんがな、と一切聞く耳を持ちません。相手がなお食い下がると、お前は破門じゃあ!消え失せろ!と足蹴りにする成田ミッキー、最後は情婦とヨロシク中にぶっ殺されるという、まさに成田三樹夫ワールド全開であります。因みに私生活での成田三樹夫は東大中退で将棋と俳句を愛したインテリですね。

 

 

たぶらかし中の成田三樹夫。ノリノリですね

 

またこの成田三樹夫に負けず劣らず圧をだしているのが小池朝雄コロンボ警部です。全く無駄なエネルギーを発散させています。老獪でなくたたただ面倒臭い人を演じています。暴れる度に血圧があがってるだろうなあと別の心配をしてしまいました。小池さんは1985年55歳で他界されています。

 

 

成田三樹夫と小池朝雄と言えば・・

 

 

優作「おい、俺がなめられておとなしくひっこんでるようなぼうやに見えたのか?俺を殺ろうとする前そのことを何度も考え直してみなかったのか?どうなんだー!」
成田「悪かった、あやまる、あやまるから、ぼくがわるかった。金子がねー! こいつが、どうしても君をやらせてくれっていうんでそれにのせられたぼくが悪かった」
小池「うそだ~あたしゃただ命令でいっただけなのに~」

 

 

おわり