邦題が‥‥。


『ジーサンズ はじめての強盗』
ウィリー(モーガン・フリーマン)、ジョー(マイケル・ケイン)、アルバート(アラン・アーキン)は、数十年来の悪友。
いつも悪態をつき合いながらも、穏やかな老後を楽しんでいた。
ところが、銀行金利の上昇により、ローンの支払い月額が大幅にアップ。
その上、長年勤めた会社の合併で、年金のカットが決まり、彼らは突如として窮地に立たされる。
そんなある日、華麗な銀行強盗を目の前で見たウィリーは、仲間たちにある提案をする‥‥。

---------------

監督は俳優でもあるザック・ブラフ。
主演のじいさんは3人ともオスカー俳優という、豪華キャストの映画でございます。

いわば落語の「時そば(時うどん)」ような。
上手い手本を見ていた男が
これならできそうだ、やってみたいと、自分も挑戦してみることに‥‥
の、銀行強盗版です。雑にすみません。

なんとなく、こんな風に進むんやろうな~と
予想した通りに進んで行くのですが。
見せ方のテンポがよく、なにより名優たちの共演ですから。
時に笑わされ、時に泣かされて、最後まで楽しく観ることができました。
面白かった~。

こういう映画は、作戦が成功しても失敗してもいいんですよね。
上手く着地してもらえれば。
そういう意味では、最高の着地を見れましたよ。

基本、僕は頭がかたいもんで
どんなことにせよ、法に触れるようなことを善行にするのは、どうなんやと思うタイプなのですが。
(「ワイルドスピード」とか「マッドマックス」まで行くと別枠)

ささやかながら、老後をつつましやかに楽しんでいたじいさんたちが
真面目に勤めあげた会社に裏切られ、融通のきかないバカな銀行員に、業務的にあしらわれ。
そりゃ応援したくもなりますよね。
でも、こっちは歩くスピードさえ超遅速のじいさんたち。
果たして‥‥?

銀行強盗がどうなるかという、主題が気になるのはもちろんなんですけど
物語中に散りばめられた伏線を、ちゃんと回収してくれる心地良さ。
こんな風に、丁寧に作られている映画が最近少なかったので
気持ちよく映画館を出ることができました。

子役たちもみんなかわいくて、物語の良いスパイスになってましたし。

しかし邦題に漂う、なんとも言えぬB級感が‥‥。
原題は「GOING IN STYLE」。
「IN STYLE」で、「立派な」とか「堂々と」という意味(調べた)なのですが。
ひょっとしたら、逆に話題になるのを狙っての、このネーミングなのかもですけど。

それはさておき、ここ最近の映画では、一番のお気に入りです。
邦題のB級感に惑わされず、気になった方はぜひぜひ劇場で。


☆個人的見どころ
 ・名優競演
 ・ボケ役が絶妙なクリストファー・ロイド
 ・小さな目撃者