『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』
貧困層の生徒が多く通うパリ郊外のレオン・ブルム高校で教えている、歴史教師のアンヌは。
多様な人種からなるクラスはまとまりがなく、成績も最低で、授業を妨害したり迷惑をかけっぱなし。
そこでアンヌは、全国歴史コンクールへの参加をクラスに提案。
しかし、「アウシュビッツ」というテーマを聞いた生徒たちは、その提案を拒否。
そんな彼らだったが、アンヌの懸命な説得で、少しずつクラスがまとまりだし‥‥。
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実話を基にしてるそうです。
監督はマリー=カスティーヨ・マンシヨン=シャール。長っ!
「金八先生」と「スクールウォーズ」を混ぜたようなお話しで。
当初の授業風景は、桜中学はおろか、川浜高校もびっくり。
高校生なんて、だいたいみんな調子乗りが半分、スカしてるのが半分。
はしゃぐやつが出てきたら、便乗するやつが現れて。
そこに反発するやつが現れると、さらに混乱がヒートアップ。
自分で真剣にやる前から、勉強や部活に諦めてる生徒ほど、余計に悪ふざけが顕著で。
でも、きっかけなんですよね。
真剣に打ち込めることを与えてあげれば、そのパワーがそっちに向けられるんです。
それは決して簡単なことではなく。
押し付けても嫌がるだけ。
放っておいても自主的に何かを始めるはずがなく。
火のない所に種火をつけて、押して引いて、少しずつ炎を大きくするような
そのアンヌ先生の手腕たるや。カッコ良い。
ドイツ・アウシュビッツがテーマというのも、生徒たちが燃えた一因で。
フランス人とはいえ、決して他人事でなく。
授業では聞き流していたことを、改めて知るにつれ
自分たちと同年代の若者たちが、無慈悲に殺されて行った事実を知り
それを知るため、そしてその事実が忘れられないようにするため、目の色を変えて頑張るのです。
もちろん実話が基ですから、ええ話しなんですけど。
映画の尺でやるには、さすがに短かったのではと感じました。
いやもう、学級崩壊っぷりが半端なかったんですが
作中では、意外とあっさり生徒たちが先生の提案を受け入れた感じになってまして。
そこはやはり、もっと丁寧に描いてくれないと、違和感が。
そんな簡単にやらないですよ。あの生徒たちは。
本物のアンヌ先生も、そりゃあもう大変な尽力だったでしょうに。
騒ぐ生徒を尻目に、淡々と授業をやっても
説き伏せて、話を聞く姿勢にさせてから授業をするのも
同じ1時間、同じ1年、同じ3年間なわけで。
でも、後者の方が教師として大変なことは、想像に難くなく。
アンヌ先生のような熱意のある先生の存在は、異国のこととはいえ、心が温かくなりました。
素敵な話しでしたよ。
ところで、冒頭で宗教上の理由から付けている生徒のスカーフを、校舎内で取れと校長が言い
親と生徒が激怒で大揉めみたいなシーンがあったんですが。
あれはいったい何だったんだろうか?
ただの融通がきかないクソ学校に見えたんですけど。
特に後の話に絡んで来なかったので。はてさて?
☆個人的見どころ
・アンヌ先生の熱量
・アウシュビッツ生存者のお話し
・そしてコンクールの結果は‥‥