戦う天才脚本家。


『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
アカデミー脚本賞にノミネートされるなど、少しずつ実績を重ねている脚本家ダルトン・トランボ。
しかし彼は、共産主義者であったことから、第二次世界大戦後のアメリカでの赤狩りにあい、投獄されてしまう。
釈放後、身元を隠し、偽名で執筆活動を続けるトランボ。
そんなある日、別名義で脚本を書いた「ローマの休日」が、アカデミー賞にノミネートされて‥‥。

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数々の名作を世に送り出した天才脚本家ダルトン・トランボの半生を映画化です。
監督はジェイ・ローチ。
トランボ役は、ブライアン・クランストン。

面白かったっすなあ。
と同時に、興味深い映画でした。

今こうやって、規模の大小はあれど、創りたい人が創りたい映画を作れることが

観ようと思えば観たい映画が観れることが

どれだけ自由で素晴らしいことなのかと。

改めて思いましたね。


大戦直後から冷戦時代なんて、思想での弾圧が特に厳しかったであろう頃で。

今と同じですよ。

イスラム教徒=全員過激派なわけではないですから。

共産主義者=全員がソ連のスパイや危険人物ではなかったわけで。


でも、そんな偏見がまかり通った時代。

挙句に、職を奪われたり投獄をされたり、時には命まで失う人も。

全体的にコミカルな仕上がりになってましたが

本当はもっと酷い嫌がらせもあったでしょうね。


そんな中、トランボの取った手段が痛快で。

数と権力に任せた稚拙な弾圧では、彼を抑えられず。

天才脚本家は、映画の中だけではなく

社会の歪んだ構図まで、自分の描いたストーリーで変えてしまったわけですね。

数ある名優や、名を馳せた監督・脚本家などが実名で登場するのですが
こういう時、昔の映画にとんと疎い自分が嫌になります。
(勉強不足は自分のせい)
誰かを皮肉ったようなシーンで、おじさんの映画ファンがクククと笑ってて。
羨ましかったなあ。


でも、オールドファンならずとも、楽しめる映画でしたよ。

こういう人たちの闘いがって、今の映画界があるわけですから。


映画好きとして、すごくすごく刺激を受ける映画でした。



☆個人的見どころ

 ・トロンボvsハリウッド

 ・憎たらしすぎるヘレン・ミレン

 ・雑すぎるキング兄弟