『赤い玉、』
大学で映画撮影の講義をする一方、新作映画の脚本がなかなか仕上がらない映画監督の時田(奥田瑛二)。
彼は、自身の経験を投影する手法で脚本を制作していた。
美しい愛人の唯(不二子)が彼を献身的に支えるが、なかなか進まず。
ある日、街で女子高生の律子を見た時田は、思わず目を奪われてしまう。
それ以降、彼女の現れそうな場所に行っては、尾行を繰り返すようになり‥‥。
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邦画で初めてヘアヌード作品を撮った高橋伴明さんが、約20年ぶりにエロス作に挑んだ作品だそうです。
主演は奥田瑛二さん。
確かにエロいす。
胸を出したらエロい、濡れ場があったらエロい、というわけではなく。
奥田さん演じる時田が、どの時、どこで興奮しているかというのがすごく伝わってきて。
ただ、時田が興奮していることを知るよりも、こっちがもっと興奮したかったような。
いや、そう書くとただただ僕がエロを欲しがってるみたいになっちゃいますけど。笑
自分の男としての性的な機能に限界を感じ
映画制作者として、ピークを過ぎた自分を自覚し
私生活を整理しようとしても、踏み切れず。
そんなままフェードアウトしていく自分に抗えない男の哀愁が、すごく伝わってきましたが。
全体的に、すごくリアルな部分と、時田の妄想なのか、シュールな部分がごちゃ混ぜになっている印象で。
例えば、時田が大学で講師をしている様子や、学生とのやりとり、学生同士のやりとりは
ああ、こんな風なのかな~とか思えたんですが。
愛人宅のトイレに、尋常じゃない数のトイレットペーパーが山積みになっていたり
覗いたダンススクールで踊っている女性の衣装やダンスが、とてもじゃないけど現代と思えなかったり。
時田が人生に彷徨っていることを表していたのかもですけど、僕はちょっと見方が難しかったです。
そしてラスト。
正直、「ああ、そうならなければいいな~」と思った方になってしまいました。
衝撃的ではありましたけど。
ポスターもそうですけど、全体的に昭和テイストが満載な映画でした。
そこを古いととるか、オシャレと取るか、観る人によって大きく左右されそうな映画でした。
☆個人的見どころ
・枯れて行く男の哀愁
・官能ダンス
・赤い玉!?