ひつじ!


『ひつじ村の兄弟』
アイスランドの辺境にある村で、隣同士に住む老兄弟のグミーとキディー。
2人は共に牧羊をしていたが、もう40年も口をきいていないほど不仲だった。
ある日キディーは、兄の羊が疫病に侵されていることに気づき、役場に報告。
すると、疫病を撲滅するため、村全体の羊が殺処分されることに。
兄は弟のせいだと逆恨みし、兄弟の仲はますます不仲になるが‥‥。

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監督・脚本は、グリームル・ハゥコーナルソン。長編は2本目だそうで。
なんと、カンヌ国際映画祭「ある視点部門」でグランプリを受賞したんですって。

確かに独特の雰囲気を持つ映画でしたね。
最初はドキュメンタリー映画のように、静かに始まって。

雪に覆われた村で、羊を飼育する人々。
小さな羊コンテストに一喜一憂する村人たち。
なんとまあ、のどかな映画だなと思ったら。
実は主役のおっさんと、その横に住む兄が、引くほど不仲だという。笑

そんな時に起こった、羊の疫病事件。
村にとっては大問題ですよね。
村人のほとんどが、牧羊で生計を立てているのですから。

冬が厳しいアイスランドの田舎町ですから。
御近所同士助け合わねば生きていけない環境なのに。
口すらきかないじじい2人。
まわりから隔離されたに近い、小さな小さな村なのに。

兄弟だからこそ、なんでしょうね。
口を聞かなくなるほど不仲になっても、他人なら繋がりを切ってそれまでじゃないですか。
でも、切れない血の繋がりがあるからこそ、余計に腹立ち具合が増して。

そんな兄弟を襲った、小さくて大きな大事件。
生き物を育てて生計を立てることの難しさ。
兄弟であるがゆえの、怨恨と絆の深さ。
寒々とした牧羊の村で起こっている、大人げない、小さな兄弟げんかの物語なのに
いつしかスクリーンに引き寄せられるように見入ってしまってました。

ラストはある意味衝撃でしたよ。
ああいう絵で終わる映画は、僕は他に観たことないです。
最初、「ええっ!」と思ったけど、観ているうちに涙が出そうになってしまいました。
公開は12月と少し先ですが、機会があったらぜひぜひ!


☆個人的見どころ
 ・兄弟って
 ・羊かわいい
 ・重機で運ぶ!

(12月19日公開予定)