犯罪者一家?


『at Home アットホーム』

優しい父・和彦(竹ノ内豊)と母・皐月(松雪泰子)、息子は高校生くらいと小学生、そして中学生の娘の5人家族。

一見幸せそうな家族だが、実は秘密が。

実は父が空き巣、母が結婚詐欺をして、一家の生計を立てていたのだ。

それぞれ暗く重い過去を背負っている上、血の繋がりはない家族だが、明るく幸せに暮らしていた。

そんなある日、母の結婚詐欺が相手にばれて、拉致されてしまい、逆に身代金を請求されてしまう事態が‥‥。


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原作は本多孝好さんの人気小説です。

監督は、「未来予想図」の蝶野博さん。


世の中は理不尽なことがたくさんあって。

世間の目に触れないところで、酷い目に遭っている人がたくさんいるのです。

加害者が身内であるならば、なおさらその被害は長期にわたり、次第にエスカレートし。


そんな苦しい過去を背負いながら、偶然出会った5人。

血のつながりはなくとも、痛みを知っているからこそ優しくなれて

自分を大事にしてくれる人を、人一倍大切にしようと思うのです。


と、そこは理解できるし、とても良い話だなと思ったんですが

結局は犯罪者なんですよね。父と母。

そして、子供たちも両親が何をしているか、ちゃんと分かっていて。


空き巣にも結婚詐欺にも、被害者はいるんですよ。

相手がどんな金持ちであれ。

自分が酷い目に遭って生きて来たからと、見知らぬ他人から何かを奪って良いはずもなく。

いくら家族のためとはいえ、そのために被害にあってる人たちのことを、完全無視して会話する家族を観て

ちょっとサイコパスっぽさを感じてしまいました。


そこが引っかかってしまった僕は、もう1歩踏み込めず。

絆だけに目をやれば、グッと来るシーンは結構あったんですけど。


その5人が集まって、

「昔は悪いこともしたけど、この新しい家族のため、もう真っ当に生きようよ」

と、なる話や

もう真っ当に生きてるのに、過去の過ちに苦しめられる話とかなら良かったんですけどね。


☆個人的見どころ

 ・ラスト

 ・家族って

 ・吉本芸人さんたちの悪役っぷり