カナダ映画ですよ。


『Mommy/マミー』
シングルマザーのダイアンは、15才の息子スティーブンを矯正施設に預けていた。
しかし彼が施設で大問題を起こしてしまい、自分で引き取ることに。
ADHDのスティーブンは、普段は明るく純朴だが、スイッチが入ると暴力的になり、誰にも止められなくなる。
ダイアンの向かいに住むカイラは、教師だがストレスによる吃音でうまくしゃべれなくなり、今は休職中。
風変わりな母子とカイラは仲良くなり、いつしかそれぞれが、徐々に穏やかな生活を取り戻すが‥‥。

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「わたしはロランス」などで注目を浴びるカナダの新鋭グザビエ・ドラン監督です。

どこの劇場でもやってるのだろうか。
本編の前に、10分くらいグザビエ・ドラン監督についての短編フィルムが流れまして。
それがまあ、持ち上げる持ち上げる。笑

この映画、1:1(つまり正方形)の画面でして。
多分、それについての戸惑いを回避するためかもですが。
それはもちろん、ドラン監督の意図があり、挑戦した形だと思うのですけど。

僕はどうにもそれが、居心地悪くて。
僕はですけど、映画館では前の方に座り、目の前いっぱいスクリーンにして観るのが好きなんですが。
この映画はそうならないから、すごく視界が窮屈になりまして。

ストーリー自体も、ストレスの溜まる物語だったのですが、画面も相まって、僕には倍増でした。
もちろん、そのスクリーンの形が演出の道具としても使われるんですけど、僕は窮屈さが勝ってしまいましたね。

ADHDを抱える息子と、母の絆を見せて行く物語なのですけど。
冒頭から表現されてたんですが、母親の人間性が、まあクソで。
プライドが高く、ガサツで下品。
息子の暴力性や品性のない言葉使いも、病気というより、この母親のせいでは?と思わざるを得ないと言うか。

そんな母親が、息子のためにプライドを捨て、人並みの母として成長を‥‥
という話に進まれても、出だしが辛すぎて、僕には入り込めませんでした。

どちらかというと、隣人のカイラの物語の方が気になりましたね。
教師だったのに、うまく話せなくなってしまったカイラ。
彼女がメインの目線だとしたらば、僕としては観やすかったかなと。
あくまで僕はですよ。

そんなわけで、観終わった後の疲労感が半端なかったです。
心の病み系の映画って、体力持ってかれるなあ。


☆個人的見どころ
 ・しめられるスティーブン
 ・カイラの物語
 ・母の夢