父として。


『君が生きた証』
ビジネスマンのサムは、大学生の息子ジョシュをランチに誘うが、すっぽかされてしまう。
店でがっかりするサムの目に飛び込んで来たのは、ジョシュの通う大学で、銃乱射事件が発生したというテレビの臨時ニュース。
事件で息子を失った夫婦は離婚し、2年後、サムは会社を辞めて、小さなヨットで暮らしつつペンキ屋で働いていた。
そこに元妻が現れ、息子の遺品を運んで来るが、その中には息子が作っていた、たくさんの楽曲が。
サムがその歌をライブバーで披露すると、クエンティンという青年が現れ、一緒にバンドをやろうとサムを誘う‥‥。

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名優ウィリアム・H・メイシーの初監督作品ですって。

仕事、夫婦関係、親子関係全て良好だと思っていた男が
突然の息子の死を忘れられず、仕事と家族を捨て、世捨て人のような暮らしに。
その時に、偶然手にした息子の楽曲。

その歌と、希望に溢れる青年クエンティンにより、少しずつ立ち直る男の物語なのかなと

思いきや

途中から、なかなかに衝撃的な展開が。
驚きました。
でもこれ、もちろんネタバレになっちゃうので言えませんけど。

その展開によって、この映画の見方がガラリと変わりました。
いや、変わらざるをえないと言うべきか。

こういう目線の映画は珍しいです。
それだけに、かなり胸に響きましたよ。

何があっても前を向けよと言ってくる映画は多いですが
前を向くことを許されない人間は、どうすればいいのか。

サムはそれらを受け入れられるのでしょうか。
そして、再び前を向ける日は来るのでしょうか。
いや~、ほろりと泣いてしまいました。

主演のビリー・クラダップと、クエンティン役のアントン・イェルチンは、実際に歌って演奏してるそうな。
そこがしっかりしてるから、さらに映画に説得力が出ておりました。
おすすめ映画ですよ。


☆個人的見どころ
 ・まさかの展開
 ・最後の歌
 ・ヨットで乱入