『龍三と七人の子分たち』
元ヤクザの組長・龍三(藤竜也)は、引退してもカタギらしく暮らせず、同居する息子夫婦から煙たがられていた。
その息子夫婦が、孫を連れて旅行に出た時、龍三はオレオレ詐欺に引っかかりそうになる。
それを防いだのは、かつての仲間だったマサ(近藤正臣)。
龍三とマサは、カタギを騙し、迷惑をかける最近の悪徳商法に憤りを感じる。
2人は、かつての仲間に召集をかけて、もう一度組を作り、世直しをしようと立ち上がるが‥‥。
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北野武監督の最新作ですよ。
さらに脚本と、あとマル暴の刑事役で出演もしてらっしゃいます。
「アウトレイジ2」の後に、このタイトルですから。
現代風のアウトロー物の次は、昭和の任侠的な映画か?と思いきや。
これがまあ、がっつりコメディで。
何気に、がっつりコメディって、最近では珍しい気が。
ラブコメとかは多いんですが、恋愛をからめないコメディが、ですよ。
もっと言うと、それを撮れる監督・撮らせてもらえる監督が少ないのかも。
でも、そこはあのビートたけしさん。
随所に笑いを散りばめて。
往年のベタから、社会風刺から、ブラックユーモアまで。
藤竜也さんや近藤正臣さん、中尾彬、小野寺昭さんなど
かつてイケメンや強面で鳴らした俳優さんたちが、体を張って、身を削ってボケるんですから。
そりゃあ笑っちゃいますよ。
かと思いきや、びっくりするくらいド派手で痛快なアクションシーンも。
そこは世界のキタノ監督の部分。
ギャグ部分はちょっと分かりやす過ぎるかなとも思ったんですけど
海外での公開も考えてのことなのでしょうね。
ちゃんとコメディ映画を撮ることができる監督って、今かなり貴重なのだなあ。きっと。
☆個人的見どころ
・小指ギャグ
・バス爆走
・中尾さんの扱い
(4月25日公開予定)