奥田ファミリー映画!


『0.5ミリ』
介護ヘルパーのサワ(安藤サクラ)は、派遣先の家族から、妙なお願いをされる。
老い先短いボケたおじいさんの、最後の思い出に添い寝してあげて欲しいというのだ。
しかしそこで、とんでもない事態が巻き起こってしまい、サワは職を失ってしまう。
さらには、うっかり貯金まで失ってしまったサワは、人生のピンチに。
そこで彼女は、町で見かけた訳あり老人を脅し、押しかけ介護ヘルパーとして生きていくことに‥‥。

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監督・脚本は安藤桃子さん。
主演の安藤サクラさんの実姉です。
さらに、エグゼクティブプロデューサーには、父親の奥田瑛二さん。
フードコーディネーターに、母親の安藤和津さん。
まさに奥田ファミリー勢揃いの映画ですね。
サクラさんの旦那さん、柄本佑さんも出ていれば完全制覇(?)やったのに。

なんと、3時間16分もある、最近では珍しい長編映画なのです。
それも、ギュッと詰まった映画ではなく、1シーン1シーンがゆったりしてて。
なのに、というとアレですが、観れちゃうんですよね。
それが間延びと感じず、空気が心地いいというか。

職を失い、寮を追い出され、貯金も失ったサワ。
自分ができるのは介護職だけ。
そこで偶然思いつくのです。
押しかけヘルパーを。
花から花へ、男から男へ移り渡るように
老人から老人へ。

その老人たちには、もちろんそれまでの人生があり、今の暮らしがあり。
そこに勝手に押しかけてくるサワは、彼らにとって最初は不気味な存在なのですが。

当たり前のようにそこで暮らし

献身的に家事をこなして、料理も上手なサワに、老人たちは心を開き始め。
そして、長く停滞していた人生が、また動きだすのです。

それが良い方向か悪い方向かは別として。

サワの不気味さと、ナチュラルな心地よさの混在感が素晴らしいっすね。
安藤サクラさん。

すごい女優さんだ。

この世代の方で、この役ができる人が僕にはちょっと浮かばないです。

津川雅彦さん、柄本明さん、坂田利夫さんなど、おじいさん役の皆さんも渋くて。

それぞれに頑固で。それぞれに偏屈で。
でもその、凝り固まっていた心が、サワによってほぐされて行く過程に惹かれました。

不思議な空気の映画やったなあ。

さて、安藤サクラさんは、次の主演作「百円の恋」の公開が始まってますよ。

これ、観たかったんですよね~。

楽しみ!



☆個人的見どころ
 ・サワという存在
 ・人生の再始動
 ・ 0.5ミリ