パンク夫婦!


『グッモーエビアン!』

中三で受験生のハツキ(三吉彩花)は、元パンクロッカーの母アキ(麻生久美子)と二人暮らし。

ある日、数年前に世界ツアーへ行くと出かけた、アキの彼氏でハツキが生まれた時から同居人のヤグ(大泉洋)が帰宅。

久しぶりに三人暮らしが始まる。

しかし、陽気な自由人だがマイペースで働きもしないヤグに、ハツキはイライラ。

ヤグを受け入れる母にも腹を立て、そのことが原因で親友のトモ(能年玲奈)とも喧嘩をしてしまう‥‥。


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なんか、いいっすなあ。

思春期の女子の、難しい年頃感がありありと描かれていて。

中学くらいの時って、何か自分の親が恥ずかしかったんですよね。

いや、特に恥じるようなことをしているわけではないんですけど、なんとなく。

それが思春期さ。


ただでさえそうなのに、ヤグのようなヒッピーな格好で、平日の昼間からうろうろしていて、しかも本当の父親じゃないことを近所の人も知っているとなると、ねえ。

しかもヤグが、脳天気な故のいわゆるKYで。

そりゃあもうたまらんやろうなあと。


しかし、大人には大人の何たるかがあるのです。

ヤグとアキの生き方を見、過去を聴き、子供だった自分を知る。

少しずつ大人になって行くハツキと、それを見守るヤグ・アキを見ていて、こっちもなんだか温かい気持ちになりました。


自身のキャラの延長のようなヤグを演じる大泉さんと、元パンクロッカーなカッコ良い母・アキを演じる麻生さんの安定感はさすがで。

でもそれ以上に、ハツキとトモを演じる、三吉さん・能年さんの好演が光っておりました。

お若いのに、ナチュラルでお上手なんすな。お二人とも。もちろんかわいいですし。

能年さんは、今も公開中の「カラスの親指」にも出てらっしゃいますね。

将来が楽しみな女優さんの一人です。


個人的には、クライマックスのシーンが正直いまいちで。

この映画に限らずなんですけど、他人が大勢見てるような場で、個人的な長スピーチが入るシーンって、なんとなくリアリティがそがれて冷めちゃうんですよね。

あくまで僕の個人的な好みですよ。


そんなわけで、最後にちょっと、うぬぬ、となってしまいましたが、全体的には素敵な映画でしたよ。

刺さってくる言葉もありましたし。

いろんな家族のカタチがあっていいじゃないか。

そこに思いやりがあるならば。



☆個人的見どころ

 ・若き女優さんたち

 ・パンクな麻生さん

 ・ヤグカレーうまそう