『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』
天才バイオリニストのナセル・アリ。
彼は、壊れた愛用のバイオリンと同じ音色の楽器を探すが、思うように見つからず。
人生に絶望した彼は、命を絶つことを決意。
8日後、ナセルはこの世を去るが、それまでの人生を彼は振り返る‥‥。
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なんともメルヘンで、ファンタジックで、おとぎ話のような。
それでいて、せつないお話でした。
風変わりな映画でしたよ。
まず8日後に死ぬことを見せておいて、それまでの7日間を追うという。
原作はコミックなのですね。
それを知って納得しました。
人が死にゆく物語なので、全体的なムードとしては重めなのですが。
どこかしらコミカルで、絵本を読んでいるような雰囲気があったので。
ナレーションベースで、しかもフランス語ですし。
優しい音楽に乗せて、淡々と物語が進んで行くもんで、心地よくてちょっと眠くなっちゃいましたよ。
いや、つまらないからじゃなくて。なんか本当に心地良くて。
なにをいつまでもクヨクヨしとんねん、このナセルは。と思っていたのもありますけど。
少しずつ、彼の過去が紐解かれて行くにつれ、グググと引き込まれ。
ラストはズドッと来ましたね。胸に。急に。
ゆるいカーブばかり投げられているところに、最後に突然、ズバッと内角をえぐる直球をくらいましたよ。
分かりにくいですか?僕もそう思います。
せつなくも美しい、印象的なラストでした。
あっ!と思ったら、トトトーンと終わるので、これから観る人は油断してはダメですよ。
☆個人的見どころ
・再会?
・バイオリンの秘密
・お迎えの黒い人