最近、試写状をもらっては行けずが続いたので、行けて嬉しいっす。
「武士の家計簿」
幕末から明治へ、世の中の秩序と価値観が大きく変わっていく時代。
代々加賀藩の御算用者(経理係)として仕える猪山家の、跡取り息子として生まれた直之(堺雅人)。
彼はそろばんの腕を磨き出世するが、当時の武家の慣習により、出世するたびに出費が増え続けていく。
そして、ついに家計が窮地にあることを知った直之がとった行動とは、世間の嘲笑を浴びながらも、家財を売り払い、家族全員で質素倹約して、膨大な借金の返済に充てることだった‥‥。
今まであったどんな時代劇とも違う趣ですね。
そりゃあ、主役が「家計の立て直し」ですから。
時代劇は数ありますが、なかなか一家庭の経済状況を掘り下げたものはなかったですし。
パッと思い浮かぶところで言えば、「必殺仕事人」の中村主水が、給料が少ないと菅井きんさんにいびられてたシーンくらいでしょうか。
なので、そういう意味では物珍しく、新鮮な感覚で観れました。
ただ、決して派手さはないですよ。
時代劇だからって、チャンバラはないですし。
身分を超えた燃えるような恋なんかもないですし。
終始静か~に進んで行きます。
家族愛や夫婦愛にグッと来るところはありましたが、それでも若干退屈に感じる人もいるでしょうね。
堺さんの柔らかい人柄が出てる作品でした。
柔らかいが、芯は強く。
そういう柔和な笑顔と、真っ直ぐな心根に女子はコロッと行くんでしょうな。
僕はどっちかというと、「ジェネラルルージュの凱旋」や、「クライマーズ・ハイ」の時のような、研ぎ澄まされた感じの時が好きなんですけど。
奥さん役との仲間由紀恵さんとは、なんか自然な空気が出ていて良かったですね。
ああいうのを見ると、嫁欲しメーターがブンブン動いてしまいます。
全然関係ないですけど、当時のそろばんって、今のものよりタマが多いんですよね?
あれはどうやって使うんだろう?
そろばん初段の僕としては気になるところっす。
この家計簿自体は、本当にあったものなんですよね?ね?
当時の武士の暮らしぶりを知れる、興味深い作品でした。
僕も東京に出てきて、始めて一人暮らしをした時に、2~3年家計簿をつけてみてました。
200年くらい経ってから見つかって、映画化されんもんやろか。
「当時の若手芸人の家計簿」みたいな。
☆個人的見どころ
・当時の下級武士の暮らしっぷり
・献身的な嫁役の仲間由紀恵さん
・息子役のかわいい子役
(12月4日公開)