豊下樽彦「安保条約の成立」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「交渉にのぞむ日本側の基本的立場は、日本が米側に基地を提供し米国が日本を防衛することによって『相互性』が保持される、というものであった。ここには、日本の安全と米国のそれとは『不可分』の関係にあり、日本に軍隊をおくことは、アメリカの『国益』にとっても不可欠の条件である、という前提がおかれていた。しかし、ダレスや米側が、米国駐留はアメリカが日本に与える「恩恵」であって、『相互性』の対象にはなりえず、日本が再軍備という『貢献』を果たしてはじめてはじめて米国による日本防衛という『義務』が生じる、と主張した。つまり、基地提供と日本防衛をセットにする論理が、再軍備と日本防衛をセットにする論理に、みごとに〝すり替えられた″わけであった。」

 

「ダレスは、対日講和条約草案をはじめて公表した3月31日のロサンゼルスの演説で、『もし日本が希望するならば、米軍駐留を同情的に考慮するだろうと公開の席上で述べた』と、再び2月2日演説を取り上げたうえで、『安全保障に対し頼むに足る貢献をなす能力を有する国は『無賃乗車』をしてはならない』と強調した。ここに、今日に至るまで日米関係を規定したきた『安保タダ乗り論」の起源を見ることができるのである。」

 

 昨年もいろいろな本を読んできた。すべてをメモを取ったわけではないが、今年も琴線に触れたことを備忘録として残していきたい。趣味のテニス、ゴルフ、マラソン、フランス語学習、旅行などについても併せて記載をしたい。