映★画太郎の映画の揺りかご


アレクサンドル・アジャ監督のモンスターパニック映画『ピラニア3D』。R15+

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映画館でもらった3D眼鏡と団扇。“大人の大人による大人の為の3D映画”にひひ
裏は、みうらじゅん、漫☆画太郎、花くまゆうさく、五月女ケイ子によるイラスト。



アメリカ西南部のヴィクトリア湖畔は恒例のイヴェントで水着姿の男女があふれかえっている。しかし、地割れによって湖底からあらわれた大量の怪魚たちが彼らに襲いかかる。


まず、タイトル前に速攻でヤツらの犠牲になるのが『ジョーズ』のあの人、というのがシャレこいててイイ。

湖では大勢の水着のおねえさんたちと海パン野郎どもがバカ騒ぎしてて、はやくもその後におとずれる阿鼻叫喚図へフラグを立てまくっている。

ちょうど『13日の金曜日』のクリスタル・レイクでいちゃつく若い男女をぶち殺しまくるジェイソンに観客が声援を送るように、調子に乗ってるリア充たちの足もとにぞくぞくと押し寄せるピラニア軍団にはいやがおうにも期待が高まる。

そしてその期待は裏切られませんでした。

ひとことでいうと、

納涼、人間の踊り喰い大会

$映★画太郎の MOVIE CRADLE

もう湖が『プライベート・ライアン』のオマハ・ビーチに早変わり。

いや、冗談ではなくほんとに。

助け出したら下半身ポロッとか。

その喰われっぷりがあまりにすさまじいんで客席から「おほっ」と笑い声が洩れていた。

残酷描写もやりすぎると笑うしかない。

しかもひとりだけ助かろうとモーターボートで暴走して大勢の人々をつぎつぎとはねまくる輩がいて、スクリューにおねえさんの髪がからまって顔面の皮ごともってかれたりと2次被害も甚大。

人体破壊のかぎりを尽くし、グロいシーンは徹底的にグロく、そして惜しみないケツとオッパイ。

それ以外、特に語ることもないんですが汗

素っ裸のおねえさん二人が水中バレエをする場面では、なんかちょっとアカンものが見えてしまいそうなあまりの眺めのよさに、主人公の高校生ジェイクといっしょに至福の時間を過ごしました。

…これは実にまっとうな3Dの使い方なんではないかと。

なにやらジェームズ・キャメロンがこの映画の3Dに難癖つけたとかいわれてるけど、よりによって『殺人魚フライングキラー』撮ったアンタがいうなよ。

これは皮肉でもなんでもなくて、こんな(下品な)映画を大画面で3Dで鑑賞、ってほんとに画期的なんじゃないだろうか。

撮影は2Dで、3Dは後付けらしいけど、それでもなかなかよくできてました。

ピラニアたちはもっと飛び出てくれてもよかったんじゃないかとは思うけど。

水中にちぎれたTimTimがプカ~って浮いてて、それを喰ったピラ公がペッと吐くとスクリーンから飛び出して見える場面には肩がプルプル震えてしまった。

ほかにも酔っ払ったおねえさんが吐いたゲロが飛び出たり、悪趣味にもほどがある。

おねえさんの身体が鉄製ロープで袈裟懸けにスパッと切れる場面について、鑑賞後にうしろの席で観てたお兄さんたちが「先に水着が切れて、見せるもの見せてから身体が切れてた。エラい」と褒めていた。

そして一度は飲んでみたい“女体テキーラ”!!

ひとついえるのは、こうやって書くと物凄いバカ映画みたいだけど、出演者たちはみな真剣に演技していること。

俳優たちは「バカ映画なんだから」と半笑いでやってるわけじゃなくて、完全に本気モード。

作り手がそのへんを見誤ると笑えない出来損ないのコメディみたいになってしまうところだが、アジャ監督はよくわかっている。

女性保安官のジュリー役は『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 2&3』でマイケル・J・フォックスの恋人ジェニファーを演じて、『インビジブル』ではケヴィン・ベーコンにオッパイまさぐられてたエリザベス・シュー

いい感じで歳をかさねてて、水着姿や裸は若い子たちにまかせてタンクトップでがんばってるけど、逆にそんなお母さんぶりが素敵。

また、『スターシップ・トゥルーパーズ』や『JM』など90年代のアクション映画でよく見かけたディナ・メイヤーが出てて「ひさしぶりだなぁ」と思ってたら、ろくに顔も映らないままピラ~ニャたちの餌食に。エェ~!?

あと、『ホステル』などの映画監督でタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』ではナチどもの頭の皮剥いでたイーライ・ロスがここでは嬉しそうにイヴェントの司会者を演じている。そしていい塩梅にボートに首っ玉狩られてた。

一応主人公の高校生ジェイク役はスティーヴ・マックイーンの孫、スティーヴン・R・マックイーン。

金髪じゃないけど、たしかにお祖父さんの面影がちょっとある。

なんだろうか、お祖父さんが『マックイーンの絶対の危機(人食いアメーバの恐怖)』でスライムと斗ってたように、まずはジャンル・ムーヴィーから出発ですか?にひひ

あと、『パルプ・フィクション』や「ミッション:インポッシブル」シリーズのヴィング・レイムスがモーターボートのスクリューでピラニアたちと斗っていた。

そして…『バック・トゥ~』のドクことクリストファー・ロイド!!

この人を映画館で見るのは『アダムス・ファミリー2』以来だろうか(『マン・オン・ザ・ムーン』にも出てたようだが)。

出番は少ないけど、こんなところでドクとジェニファーが再共演。

今回は人喰い魚たちの正体を解明する学者(熱帯魚屋さん?)の役。

ちなみに現実のピラニアはもちろん危険がまったくないわけではないが積極的に動物を襲うことはなくて、「人喰い魚」というイメージは映画(あと金曜スペシャルなど)によってできたものだそうで。

アマゾン川で一瞬にして骨になる牛の映像とか観て育ったから、刷り込まれてるんだよね。

まぁ、この映画の“ピラニア”は別種の生き物だから。

エロくてグロくてバカ。

いやぁ、堪能しましたよ。正しい見世物映画でした。

とにかく頭カラッポにして観るべき快作。

もう一回ぐらい劇場で観たいなぁ。

はやくも続篇の『ピラニア3DD』が楽しみなのであった。

でもドクがいうように、もしあのピラニアたちが○○だったとしたら、次回作に出てくるのは“メガピラニア”か?汗




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