http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150828/k10010207051000.html



マイナンバー制度は、日本に住む1人1人に割りふる12桁の番号に、納税や社会保障などの個人情報を結びつける制度で、ことし10月以降、番号が通知され、来年1月から運用が始まります。この制度について弁護士や市民で作るグループが「プライバシー権を保障した憲法に違反する」などと主張して、マイナンバーの使用の差し止めを求める訴えを、ことし12月をめどに東京や大阪など全国7か所の裁判所で一斉に起こす方針を固めました。
グループは、制度の利用範囲には個人のプライバシーに深く関わる情報が多く含まれているうえ、番号を行政機関だけでなく民間企業なども扱うため、情報漏えいの危険性が高いなどと訴えていくということで、マイナンバー制度が憲法に違反しないかどうか司法の場で審理される見通しになりました。(本日付NHKニュースウェブから一部引用)。



年金情報の漏えい問題による混乱はありながらも、マイナンバー制度の開始が迫ってきているということで、顧問先会社などからも、社内規定の作成や改正のチェックや運用面での質問などが寄せられるようになってきています。




日常実務のことにかまけてあまり深く考えないものの、将来的には預貯金を含む資産や年金などの収入情報、健康保険や戸籍などありとあらゆる情報が一つに統合されてしまうということの危険性については、一歩立ち止まって考えるべきように思います。



今回の提訴の結果、裁判所が本制度を違憲として判断する可能性はなかなか厳しいのでしょうが、審理の過程で、制度の問題点などが洗い出されるということもあるようにもいます。




公的機関という点では同じであるにも関わらず、一つ一つの手続についていちいち住民票を取りに行かされて提出するとか、部署(年金と健康保険など)ごとに情報が統一されていなくて、一つ一つの手続がゼロからスタートしなければならないなど、いちいち手間に感じるということはありますが、それでも、情報

は個別に管理して相互にひも付けしないというのは、その効用を役所側で意識しているかどうかは別として、個人情報の保全として役立っているということは確かで、今回の年金情報の漏えい問題についても、年金情報とひも付けされた他の収入や預貯金などの情報も一緒に流出していたとすれば、なおさら深刻な問題となっていたように思います。





しかし、現場の状況などを見ると、従業員宛てに届けられたマイナンバーの通知をなくしたとか捨ててしまったとか(一人暮らしの高齢者などにも当てはまると思います。何度送ってもなくしてしまうということも考えられます)、従業員の中にはそれこそ「個人情報だ」とか言って提示を拒否するといった事例などもありそうですし、運用開始してみたらさらに混乱するようにも思われます。







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