最高裁調査官や東京高裁の判事などを歴任され,在任中には多くの無罪判決を出したことで知られる木谷明弁護士が語ったところを編集されたものです。
今週まで出張が続いたので,車中やホテルで読みました。
法曹キャリアの最初から現在までに沿って,当時の思い出や裁判所内で交わされたやり取り,また,数多くの裁判の内幕などが語られており,大変興味深いものがありました。
私が司法試験に合格した後に,研修所から入所までに検討しておくようにと渡された記録に「鹿児島夫婦殺し事件」の記録がありましたが,当時は訳も分からずに記録を読んでいましたが,本件について最高裁調査官として関与した際のことが記載されていて,興味深かったです。
その他にも,ゴビンダさん事件の一審無罪後の勾留の職権発動についての申立を退けた件など,数々の事案のことが豊富に記載されています。
一貫しているのは,「被告人の言い分に耳を傾ける」という姿勢で,今も昔も刑事裁判官にはその姿勢が足りないのではないかということが基調となっています。
ざっと一読しただけなのですが,もう一度よく読み返したいと思う本です。
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