昨日の午後から1泊2日で所属する高齢者・障がい者の委員会の合宿のため,熱海まで行ってきました。それにしても,去年の9月の司法研修所卒業10周年,今年2月の修習生の合宿と,ここのところよく熱海に来ます。
委員会では飲み会はそれなりにやってきましたが,合宿というのは初めての試みでした。
合宿と言っても遊んでいるわけではなくて,昨日の初日は13時から18時までみっちり勉強会をしました。参加者は約20名くらい。
勉強会のメニューは主に若手の弁護士が1時間ほどの時間内で,与えられたテーマについて調査した結果を発表するというもの。
次のようなテーマでした。
1 障がい者と労働・・・最近は障がいの中でも,精神障がい(うつなど)による休職,復職についての問題がクローズアップされており,その点についての裁判例など。
2 障がい者と教育・・・カニューレ装着児童に対する保育園入園拒否事件についての裁判例など
3 障害者の生活利用権(移動)・・・バリアフリーや航空機搭乗拒否事件など,障害者が生活するに当たってのさまざまな場面での問題について裁判例など。
4 全盲の大胡田誠弁護士による講演・・・非常に感動しました。全く目が見えないのにも拘わらず,用意されたレジュメに沿って完璧にお話をされていました。障がい者差別解消法などの動向についてお話しいただきました。色を時別する機械や針の位置で振動する時計などを体験させて頂きました。
昨日は,ここまでで勉強会は終了し,その後は大胡田先生も交えての懇親会。
懇親会の後は,カラオケに移動しての2次会。みんな弾けていました。
その後一風呂浴びてから,3次会の部屋のみを2時くらいまでして就寝しました。
昨夜はひどい雨でしたが,朝になると,まぶしいほどの好天に恵まれました。
午前中,次のような発表が行われました。
5 介護給付量の獲得入門・・・障がい者総合支援法に基づく介護サービスが足りない,減らされたというときに,いかに対応すべきかというもの。あまり考えたこともなかった問題であり,参考になりました。
6 障がい者虐待・・・障がい者虐待防止法や平成8年に起こった水戸アカス事件など障がい者虐待についての裁判例などについて勉強。
7 障害者と刑事事件・・・最近クローズアップされてきている問題で,社会福祉士との連携などについて。
「また来年もぜひやりたいね」ということを確認し,今回の合宿は楽しく終了しました。
【追記】
その後、本合宿の開催に尽力された先生から、上記大胡田先生の講演のくだりで「全盲であるにも拘わらず」とある点について、少し引っかかるというご指摘を頂きました。
なるほど、全盲であろうとなかろうと、障がいがあろうとなかろうと、できる人はできる、できない人はできないというだけのことであり、「全盲なのだからこのような完璧な講演ができるはずがない」という無意識的な決め付けをしていたとすれば、そういったことが差別、偏見ということなのかもしれません。
自戒も込めて、あえて原文はそのまま残しておきたいと思います。
障がいをもった人ともっと普通に日常生活の中でふれあうことができていれば、今回の講演も「全盲だからすごい」ということではなく、単に「講演の内容が良かった」というだけの感想になっていたのかもしれません。
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