判例時報2191号で紹介された事例です(東京地裁 平成25年1月29日判決)。



原告の男性は,脳性まひによる両上肢機能障害1級,移動機能障害1級の全身性障がい者で,身体障害者1級として認定され手帳の交付を受けていました。




男性は,住んでいた自治体から,障害者自立支援法に基づくサービスとして,1月あたり744時間,負担金額0円の重度訪問介護サービスを受けていましたが,大腸イレウス等の検査のため,入院することになりました。




入院中も重度訪問介護サービスの提供を受けたものの,自治体は,入院中については1日当たり4時間までという制限を受けたことから,それを超えた分については自費負担となりました。





そこで,男性が,「居宅」での重度訪問介護サービスの提供を受けられることを定めた障害者自立支援法に基づき,入院中の重度訪問介護サービスについてもサービスを受けられるはずだとして自治体を相手取って訴訟となりました。




訴訟では「居宅」の意義が争点の一つとなり,入院中の病院も「居宅」に含まれるのかが問題となりましたが,裁判所は,入院した場合には健康保険による療養給付として医療機関従事者からの看護が受けられるので,病院は「居宅」とはいえないとして,男性の訴えをき退けました。




障害者自立支援法は,支給決定障害者が病院に入院した場合には,柔道訪問介護を受け,これに関して介護給付費を支給することを予定していないと判断されています。




本件は控訴されているということです。




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