今朝はロサンゼルスの某クリニックのドクターと電話ミーティングでした。
ロサンゼルスから少し離れた場所で開業している先生ですが、
たまに、こうしたミーティングも行います。
卵子提供プログラムでよく議題になるのは
「倫理」
です。
倫理とは、人として守り行うべき道です。
倫理を忘れては、医療にかかわることは出来ません。
倫理は、生活する上でも最も大切です。
ヒトとしてやっていい事と、やってはいけない事があります。
それが倫理です。
１年に数回、飛行中に出産のニュースがあります。
「お客さまの中にお医者様はいますか？」
というドラマに出てきそうな光景で出産がおこなわれるのでしょうか。
今年の2月、プエルトリコからフロリダに飛行中の
JetBlue航空の機内では、まさにドラマのようなシーンがありました。
産婦人科医ではないが、ドクターが居合わせていたので、
そのドクターが手を挙げ、無事に出産にいたりました。
以前、日本のドクターに聞いたところ、
こうした状況で手をあげる医師は殆どいないと聞きました。
人としての良心として対応したとしても、医師に賠償責任があるためです。
飛行機の中は治療環境がよくなく、責任が重いです。
JALやANAは、万が一の医療トラブルがあった場合、航空会社が賠償責任を負うと言っていますが、
実際に損害賠償請求をするのは患者さまの遺族です。
善意でヒトを助けても、ヒトがつくった社会のシステムによって罰せられる可能性があります。
倫理で考えると、困っているヒトを助けるべきです。
アメリカには「良きサマリア人の法（good samanitan law)」という法律があります。
こうした緊急事態でヒトを救った場合、
失敗しても責任は問われません。
そうした法律があったとしても、手をあげることは勇気が必要です。
2004年、LA Babyの活動が始まった時も倫理について考えました。
卵子提供や代理出産を必要なヒトは明らかにいる
ただ、私たちでサポートするべきか迷いました。
特に当時は、まだ卵子提供という言葉が広く知れ渡っていません。
ヒトは知識がないと、その情報を
「排除しよう」
「攻撃しよう」
と強く働きます。
当時、私たちには見えていないものもあり、
ヒトとしてサポートして良いものかどうかわからず、
拒絶していたのかもしれません。
ニーチェやフロイト、アインシュタインなどに影響を与えた
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは言いました。
「誰もが自分自身の視野の限界を、世界の限界だと思い込んでいる」
世の中いろいろなことで悩んでいるヒトはいます。
いろいろな状況のヒトはいます。
当時は、少ない知識で倫理を考えていました。
結婚がどうしても遅くなってしまった夫婦もいます。
想像以上に離婚している夫婦もいますし、連れ子で再婚しているヒトもいます。
養子縁組を受け入れているご夫婦もいます。
子供はいなくても、次世代で生きる子供のために、
住みやすい世の中になるよう努力しているヒトもいます。
助けられるヒトがいるのに助けないのも
サポート出来る環境にいるのに、サポートしないのも
どちらも罪になる可能性もあります。
今日は、朝から倫理について議論がありましたので、
ブログも倫理について書きました。
自分の視野をさらに広げ、勉強を続け、知識をつけ、
多い知識で倫理のことは考えていきたいと思います。
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