書くこととレンダリング:HTML5で書いてみた。(2) | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

<link rel="stylesheet" href= "style.css" type="text/css" />


という記述で、ページ全体のレイアウトと基本要素のスタイルを指定したあとで、たとえば本文以外に「写真キャプション」とか文章の構造要素を新しく追加することになることはかなりある。


画像要素imgのスタイルも個別に変えたいことがある。


一挙に全体をディティールまで決め込んでスタイルを決定することなど、原理的に不可能、と思ったほうがいい(機能が一義的に決まっているページなどは別として)。


なぜかといえば「編集」は「時間的」で、「デザイン」は「空間的」なものだから。


ウェブでは、これが逆転しがちで、見た目のガワのカッコ良さとかへの意識が先行しがち。


だけど実を言えば、CSSの追加修正ってのは、デザイン指定という意味じゃデザイナーの仕事に見えるけど、実はすこぶる「編集的」なのだ。


カスケーティング・スタイル・シートというのは名のとおり、綺麗な集合の構造を持っている。


いわゆるデザイナーさんには、大集合・中集合あたりまでのレイアウトと主だった要素の指定をしてもらって、あとは編集が原稿や図版をコンテンツとして入れたいとなったとき、デザイナーさんに指示を出すという「やりとり」のなかで最終形に近いものが出来上がっていく。


P要素(パラグラフ)の指定はあっても、写真下に入るキャプションの指定がない場合は、スタイルのクラスPの下位集合であるid属性を使って、スタイルを分岐していくことになる。


エンジンに言わせれば、アップルのハードオリエンティッドな言語に過ぎないHTML5は、どこまで汎用的になるかということとは別に、たしかにエディトリアルっぽい〈article〉とか〈section〉とかの要素が加わっているが、〈caption〉まではない、たぶん。こっちで定義すればいいというあたりまえの話に戻ってしまうわけだが。


ま、HTMLの物理タグでごまかしたりすることも、キャプション1本程度ならやれてしまうだろうが、どうせなら、指定しといたほうがいい。


紙の場合は、いったん印刷に回して製本してしまうと、修正は増刷時にってことになったりするが、


ウェブは、とりあえずアップしておいてもなんら差し障りない場合も多いから、こまかいところを編集しつづける状態が常態化することもある。


基本的に、ウェブページというのは実は、そういう意味で紙以上に「編集的(時間的)」世界なのだということを、言いたかった。



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