今日は、一年に一度の「祭り」に人生すべてをかける人たちのお話です。
僕の暮らす地域には、集落ごとそれぞれに「氏神(うじがみ)様」をお祀りした神社があり、年に一度、その多くは桜の季節に「神事としてのお祭り(祭礼)」が執り行われます。(3月中旬を皮切りに5月の初めまで毎週どこかの集落で執り行われています)
この地域には、数多くの「山車(だし)」が古くから受け継がれており、それぞれの集落の「誇り」となっております。(多くは県や自治体より文化財として指定されています)ところが、我が集落には、これまで山車を持たずにお祭りを執り行ってきておりました。
我が集落の祭礼神事のスタイルは、日本全国の中においても我が集落固有の大変独特なもので、(このことはまたいずれの機会に書きたいと思ってます)その伝統は受け継がねばなりませんが、如何せん「大変に地味」なお祭りであり、他の集落の山車のあるお祭りを見るにつけその華やかさ、人の賑わいを「うらやましいなあ、いいよなあ」と長年あこがれておりました。そこで、「無いならば造っちゃおう」と・・・・・。
そうと決まれば、「お祭り馬鹿」の本領発揮です。集結したメンバーは、「町役場の公務員」、「不動産屋さん」「電気屋さん」、僕を含め「サラリーマン」がほとんどの素人集団で「大工さん」は唯一人。
集落の里山に生えている「杉」を地主さんにお譲りいただき、自らチェーンソーで伐採し、その丸太を製材所に持ち込んで「柱」と「板」に加工し、「ノコギリ」と「ノミ」で「ギコギコ・トントン・カンカン」・・・・ 2年をかけて、晴れて今年完成した次第です。(全長6.3m、幅2.4m、高さ5.4mの大きさです)山車を飾る「幕」には、近所のお母さんたちの手縫いの刺繍をほどこした、何から何まで正に「手作り」の一台です。
今年のお祭りは、山車を曳く「若い衆」の威勢の良い掛け声に包まれ、また、多くの人たちが山車の見物に神社を訪れ、例年とは比べ物にならない大変な賑わいでした。そんな光景を眺めていたら目頭が「ジンと」熱くなり・・・・・・。周りを見渡せば、「お祭り馬鹿」が皆、目を真っ赤に腫らしておりました。
「お祭り」については、これからも折にふれ書いていきたいと思います