スポット金は高値を打診 QE3の観測も高まる | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

スポット金は高値を打診 QE3の観測も高まる

この記事はこちら の商品CFDレポートから抜粋しています。


 27日、市場のリスクセンチメントが大幅に改善したことで、スポット金はここ3週の高値を打診した。ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領はこの日の電話会議で、ユーロ圏を守るためにできることはすべて行うとの決意を表明した。この情報は市場のリスクセンチメントを支援した。同時に、米国が発表した経済データが、米連邦準備理事会(FRB)のQE3(量的緩和第3弾)観測を誘発したことで、金相場の支援材料となった。米商務省のデータによると、米第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率は年率換算で1.5%増となり、市場予想と一致したが、第1四半期の2.0%増から低下し、去年第4四半期の4.1%をも下回った。経済成長が引続き鈍化していることが失業率を改善できなかったことから、追加経済策を打ち出すとの観測が強まり、ドルが売られる展開となり、ドル建てのスポット金は強含み展開となった。また、発表された米7月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値は72.3となり、前回の72.0をやや上回ったが、予想の73.0を下回ったことで、米経済の見通しについて消費者が楽観的ではないことを示した。

一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州当局者と会談し、ユーロ圏防衛に向けて債券買い入れなど複数の措置について協議していると報じたことも話題となり、ユーロ圏の先行きに対する信頼感を強めた。一連の好材料を受け、当日のスポット金は前日比8.6ドル(0.53%)高の1,623.9ドルで終了した。スポット銀も金価格につられて上昇し、前日比0.25ドル(0.91%)高の27.77ドルで引けた。


 27日のCOMEX銅先物は株式市場につられて上昇した。市場ではFRBとECBが追加緩和策を打ち出すとの観測が広がっているため、当日の米株式市場は大幅に上昇し、リスク資産の銅を支援した。但し、世界の景気回復が更に鈍化していることが銅の需要見通しを圧迫したことで、銅価格の上げ幅が抑制された。

最終的には、当日のCOMEX銅先物9月限は前日比3.55セント(1.05%)高の342.50セントで取引を終えた。


 ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は電話会談後に発表した声明で、できるだけ速く前回の欧州連合(EU)サミットで合意した決定を実施すべきであることを示した。より多くの欧州当局者がユーロを支援する声明を発表し、ECBが近く措置を講じる観測が高まり、株式市場、ユーロや原油などのリスク資産が支援されて上向いた。また、米第2四半期のGDP伸び率は予想と一致したことも原油相場の支援材料となった。但し、ドラギECB総裁が欧州支援基金に銀行免許を付与することを望んでいるため、ドイツ中銀のワイドマン総裁と会談する予定であるが、ドイツが欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に銀行免許を付与することに反対する意思を示した。その他、米7月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値は事前予想を下回ったほか、米第2四半期の個人消費・速報値も引続き下落し、ギリシャも国際支援資金を獲得する前にECBに債務削減を申請する可能性があることが、原油価格の上げ幅を抑制した。

最終的には、当日のNYMEX原油先物9月限は0.75ドル(0.84%)高の90.13ドルで取引を終了した。


 続いている乾燥した天候で大豆の収穫見通しが引き下げられたことを背景に、27日のCBOT大豆先物は上げ幅を見せた。米リサーチ会社インフォーマは、米2012年大豆のイールド見通しを40.0ブッシェルから38.5ブッシェルに引き下げ、通年の総生産見通しを前の30.12億ブッシェルから29億ブッシェルに引き下げた。また。国際穀物理事会も米2012年の大豆収穫見通しを9.5%引き下げて7,900万トンとし、5年ぶりの低水準となった。

最終的には、当日のCBOT大豆先物8月限は前日比18.00セント(1.08%)高の1,684.75セント、同9月限は前日比21.50セント(1.34%)高の1,628.25セントで終了した。一方、27日の小麦先物は買戻しで上昇した。最終的には、当日のCBOT小麦先物9月限は前日比12.50セント(1.41%)高の897.75セントで引けた。


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