ご縁がありまして、有我咲英さんが書いた『ネコが教えるお金の話』(VOICE)を読みました。

 

この本は、明治時代の大富豪「本多静六」(ほんだ せいろく)がネコになって登場し、お金や仕事に悩むひとりの女子を導くというお話です。

 

本多静六は、現在の埼玉県久喜市の生まれ。

 

投資家として巨万の富を築いたことでも有名ですが、「公園の父」と呼ばれる日本で最初の林学博士であり、公園設計の専門家でした。

 

100年先を見越してつくられた「明治神宮の森」の計画に携わり、東京「日比谷公園」をはじめ、数々の公園づくりを行った偉人です。

 

 

本多静六の生涯については、埼玉県久喜市のホームページから、小学生向けにまとめられた小冊子(PDF)が、とてもわかりやすいので、オススメです(o^-')b

 

 

http://www.city.kuki.lg.jp/miryoku/rekishi_bunkazai/honda_00/shiryo/honda_sassi.html

 

 

そんな偉人の教えが随所に散りばめながら、『ネコが教えるお金の話』は物語が展開していきます。

 

私が、とても印象に残った言葉はこちらです。

 

 

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「どんな仕事であっても自分が工夫を凝らし、楽しみを見つけようと思えば見つけられる。楽しみ=道楽にゃ。仕事が道楽になってしまえば、楽しいばかりの毎日にゃ」

 

 

『ネコが教えるお金の話』(有我咲英VOICE) p61-62より

 

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この言葉は、本多静六が構築した思想のひとつです。

 

 

「人生の最大幸福はその職業の道楽化にある」

 

 

そう本多静六は、言葉を遺しているのです。

 

彼は生涯を通して376冊もの書を記した作家であり思想家でもあります。

 

 

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『ネコが教えるお金の話』の中に登場する、「職業道楽化」の考え方を知り、私は、京セラ創業者稲盛和夫氏のエピソードを思い出しました。

 

 

鹿児島大学を卒業した稲盛氏は、就職活動がうまくいかず、京都の中小企業に就職します。しかし、この会社が給料の遅配があったりと、あまりよい会社ではなかったのです。

 

それで、同期はどんどんやめていく。

 

 

稲盛氏も「やめよう!」と決意し、同期とふたりで、自衛隊の試験を受けにいきます。自衛隊に入るには、戸籍謄本が必要で、実家から送ってもらうようにお願いをしたのですが、届きません。

 

 

結局、提出期限が切れて、自衛隊に入ることはできませんでした。一緒に受けた同期は、自衛隊にそのまま入ってしまいます。

 

 

ここで稲盛氏は決意します。

 

嫌でたまらなかった仕事だけれど、好きになろう。好きになる努力をしようと・・・。

 

そうして仕事を好きになる努力をしながら、懸命に研究に取り組んでいった結果、次から次へと成果があらわれはじめて、本当に仕事が面白く、好きになっていったのです。

 

 

稲盛氏は、「仕事を好きになる努力が、運命を変えた」といっています。

 

 

これはまさに、本多静六がいう

 

 

「職業道楽化」

 

 

のことではないかと思います。

 

 

 

「職業道楽化」は、運命を変えていくのです!

 

 

 

本多静六の本をダイレクトに読むのは、言葉が古く文体も硬くて、なかなか難儀します。

 

 

そこで、『ネコが教えるお金の話』です!

 

 

有我咲英さんは、OL時代、29歳で、2000万もの貯金に成功した人であり、別ペンネームで40冊もの著作がある作家です。

 

現代風の物語にアレンジして、本多静六の教えを「ネコ」に語らせるスタイルをとっていますので、とてもわかりやすいです。

 

お金のこと、仕事のこと、楽しみながら、

 

いろいろと深く考えされてくれる本です!