がぶっ!と地球まるかぶり -2ページ目

最後の晩餐

アラスカを後にし、ダラス経由でロサンゼルスに向う。


ワンワールドの世界一周航空券の縛りとは言え、凄い無駄な

移動距離と時間。

マイルはその分手に入るけど、流石にキツイ。


ダラスでロス行きの飛行機待ちをしていると

周囲のアメリカ人が一斉に立って、拍手、いわゆる

「スタンディング・オベーション」をしだした。


がぶっ!と地球まるかぶり


急になんだ!?と思って、みんなの視線の先を追うと

そこには軍服姿の若い軍人さん達が。


がぶっ!と地球まるかぶり


隣の人に聞くと、彼らはイラクからの帰還兵とのこと。

厳しい環境のイラク駐留から帰ってきた軍人に対し、賛否はあるかもしれないけど

みんなが立って拍手で健闘を称えるアメリカ人。


僕にはそれがいいことなのか、どうなのか判断する気も材料も持ち合わせて

ないけれど、これがアメリカと言う国、もしくはアメリカ人の一面なんだな

と感じた光景だった。


ロスではトランジットのために1泊。

せっかくなので、クルマを借りてあちこち周ってみようと思ったけど

流石に大都会。


あまりのクルマの量と交通規制の多さ、さらには事前の調査不足で

まだアラスカ感覚の僕は運転が怖くなり、郊外のショッピング・モールに逃げ去った。

次、行く時にはちゃんと行くとこ決めてから動き出そう・・・。


そして、いよいよ夜の帳が下り、最後の晩餐へ繰り出す。


アフリカであんだけ黒人に囲まれて過ごしたけれど

アメリカの黒人は映画の影響か、そこかしこにたむろしている人達は

かなりヤバそうに見える・・・。


それにしても、この近辺は黒人しかいないような・・・。

空港近くの安いホテルに泊まったからか、後で聞くとホテル周辺の

治安はあまり良くないよう。

そういうことは早く言ってくれよ・・・。


最終日までビビリながら何とかレストランへ。

今日がまるかぶりの旅の最後の晩餐かと思うと、いつも以上に張り切って

注文してしまう。


そして、オーダーを取りに来た、かなりいいガタイした黒人のお姉さんに


「あなた達こんなに食べるの!?いくらなんでもこれは無理よ!」


こういうセリフも何度目だろうか。


世界中で、見知らぬ外国人の方々が僕ら(厳密には僕か・・・)の注文する量に

ギョッ!としてくれて、そのリアクションが嬉しくて?

思わず食べ過ぎてしまったこの1年間。


やっぱり最後もそんな心配の声を笑顔であしらい、全部注文することに。

何とか無事に帰国を迎え、いい笑顔のたかちゃん。


がぶっ!と地球まるかぶり


でも、出てきた量がハンパなくて食べれるか心配な僕の顔。

ニヤリと笑うお姉さん。


こんなとこで舐められては九州男児の名が廃る!と

どうでもいい時にだけ顔を出す九州男児。


思えば、そんな自分勝手な九州男児と何だかんだとケンカをしつつも

今日までの1年間365日。

時間に換算して、ええっと・・・ちょっと暗算できないのでまぁいいや。


一緒にこの旅を歩んで来てくれたたかちゃん。

本当にいつも二人ずっと一緒だった。


よく、俺のペースにこんだけ合わせてくれたなぁ・・・

そう思うと、酔っ払った後の夜道が心配だけど、感謝の気持ちで嬉しくて

ちょっと一杯だけ飲みたくなった。


最後まで緊張感のない顔。

がぶっ!と地球まるかぶり


本当に1年間、二人とも無事に過ごせてよかった。

今宵のビールは格別だ。


くに