毎年恒例のフランス映画祭に行って来ました。
この時期は梅雨でいつも調子悪く、行くの迷うのだけど・・・
今年は行って本当によかったです!
鑑賞したのは、グザヴィエ・ボーヴォワ監督の、「チャップリンからの贈り物」
危なっかしいことばかりしているお調子者のエディが刑務所から出所する。
すると、親友のオスマンがエディの家を元のままに維持してくれていて感激。
ところが、オスマンは貧しく、娘を希望の進路に進ませることもできないし、
病気で入院している妻の治療費も払えず八方塞がり。
そこで、エディは恩のある親友のために、なんとチャップリンの遺体を盗んで身代金を要求することを
思いつくが、計画には穴だらけで大変なことに・・・・・・
まずは、オープニングの曲が素敵で・・・なんか懐かしい感じ~と思ってたら、
音楽はあのミシェル・ルグランでしたー!
ルグランと言えば、ヌーヴェルヴァーグ、ヌーヴェルヴァーグと言えば我が青春ですよ~。
(リアルタイムじゃないよ、笑)
しばし、感傷にひたって、ストーリーそっちのけになってました。
なんか、音楽だけでもううるうるしちゃったり;
誘拐と言うと、暗いタッチになりがちですが、エディの性格が能天気なこともあいまって、
また喜劇王チャップリンの誘拐ともあって、喜劇として描かれていたのが楽しかったです。
ガハハーとみんなで笑えるのが、映画祭の醍醐味~。
でも、チャップリンの喜劇は手放しの喜劇ではなくて、戦争の悲惨さや、貧しい労働者の悲しみなどが
必ず描かれていて悲哀があって。
エディやオスマン自体も貧しいので、そこの伏線が素晴らしかったですね。
エディ達の裁判で、弁護人?裁判官?がチャップリンの映画やシェイクスピアの引用をして、
エディ達を擁護するシーンは圧巻でした。なんと監督曰はく、これは本当にあったことだとか!
誘拐と言っても死体の誘拐ということで、裁判はむしろ楽しんで行われた節があったのでは~と
おしゃっていました。
そして、映画祭の楽しみ、ティーチインへ。
当然のことながら、なぜルグランのに音楽を頼んだのかという質問がありました。
監督は映画を作るときに自然とルグランの音楽が合うなと頭に浮かんできたそうです。
しかも、なんと!ルグランについてのエピソードを監督が語っていたら・・・
「ルグランに、今ここで電話してみよう!」と監督がぁ~。
思わず悲鳴を上げてしまいましたよ。
ルグランは「日本に乾杯」と言ってくれました。
やーもうー本日二度目のうるうるでしたよー明るかったので、必死で泣くのをこらえました。
体調悪かったのが、一気に生き返った思いでしたー。監督、ルグランありがとう!
あまり、面白い質問ではなかったのですが、映画を観ていてどうしても気になったことがあったので、
私も質問してみました。
それは雨のシーンが随分多かったこと、しかもラストシーンでオスマン一家がチャップリンのお墓参り
をするシーンなど重要なシーンで雨が多かったような・・・。
この誘拐事件が起きた冬は雨が多いので、必然的に雨のシーンが多かったそうです。
また、監督は人工的に雨を降らせて映画を撮ったり、雨だと撮るのをやめて
晴れを待つということはあまり好きではないので、ありのままを撮ったということでした。
自然に対するリスペクトの思いが素敵だなぁと思いました。
1000人くらい人がいる中での質問はドキドキしましたが、どうしても昨日は秘密の理由があって、
質問をしたかったのでした。メッセージ通じたかな~。