アリゾナ記念館で出会った老婆
真珠湾攻撃75周年にあたり、安倍晋三首相がアリゾナ記念館を訪れるという。
マスコミのニュースで知る限り、ホワイトハウスも
アメリカの退役軍人の間にも歓迎ムードが広がっているらしい。
アメリカ市民も概ね好意的に受け止めているようだ。
このことが、私には何よりうれしい。
今から24年前、新婚旅行先にハワイを選び、アリゾナ記念館を訪ねたときは、
私たち夫婦をずっと睨みつけている白人の老婆がいて胸が傷んだ。
老婆にとっては、戦争が終わって50年近く経っても、
まだ日本人は憎むべき対象であったのだから。
その憎しみの深さやいかなるものだろう。
私たち夫婦は慰霊の目的で訪れたのに、こんな出来事に遭遇して、
何だか場違いなところに来てしまったおもいがしたが、
それでもアリゾナ記念館を訪ねてよかったと思っている。
米軍犠牲者の慰霊碑に向かって手を合わせる私たちの姿を見て、
老婆はその行為まで憎みはしないだろう。
そして、老婆の日本人の見方が数ミリでも変わってくれれば、
それだけでも私たちがここに来た意義があると感じたのだ。