名城線でプチ救助!
昨夜、名城線の電車の中でプチ救助をした。
金山駅に到着する直前、目の前のドアの近くにいた若い女性が急にうずくまった。
気分が悪いんだろうと思ったら、次の瞬間、崩れるようにして仰向けに倒れた。
ちょうどそのとき電車が金山駅に到着し、ドアが開いた。
これは非常事態だ。
なにはともあれホームに運び出さないと。
私が女性の身体を抱えたところで、近くにいた女性2人が手伝ってくれた。
ところが、持ち上がらない! バランスが悪いのだ。
混んでる電車だったから、人だかりができていたが、その2人の女性以外は誰も手を貸してくれない。
思わず「男性の方、手伝ってください」と叫んでしまった。
ようやく数人が手を貸そうとしてくれたが、結局のところ私と女性2人で何とかホームに運び出すことができた。
ホームに寝かしたところで、ようやく倒れた女性の意識が戻った。
よかった。
いち早く駆けつけてくれた駅員さんに私から簡単な事情を話して、私は帰路についた。
彼女を運ぶのを手伝ってくれた女性2人が彼女を抱き抱えて看病していたので、
もう私の出番はないと判断したのだ。
帰宅の最中、私の過去の救助歴を数えてみた。
実は、今日で3回目。不思議とそういう場面に出くわすことが多い。
1回目は、大学4年生のとき。下宿先の東京駒込での出来事。
クルマの運転中にてんかんをおこし、口から泡を吹き、気を失っている中年の男性を見つけて、
クルマに乗り込み、ハンドルを操作して停車させた。
幸い、その男性、アクセルを踏み込んでいなかったので、ノロノロ走るクルマに飛び乗ることができたのだ。
今思うと、なんか映画のアクションシーンみたいだな。
このとき、なぜか救急車だけでなく、パトカーと消防車まで出動し、大変な騒ぎになったことを覚えている。
いつの間にかすごい人だかりができて、その輪の中で事情聴取される私は、
犯罪者のような気分だった(犯罪を犯したことないけど)。
2回目の救助は、実家のすぐ近く。
ガソリンスタンドの強化透明ガラスで出来た壁に、帰宅途中の若い女性が自転車ごと激しく衝突して、
動けなくなった。彼女には、暗くてガラスが見えていなかったようだ。
またもや第一発見者は私。
そのときは冬だったので、私の着ていたジャケットを倒れたままの女性に被せて救急車の到着を待った。
これも今思うと、ドラマのワンシーンみたいだな。
後日、元気になったその女性が、私が預かってあげた自転車を取りがてら、
母親と一緒に菓子折を持って我が家にみえたそうだ。
私が独身者だったら、もしかしてこの救助がきっかけで恋が芽生えたかもなんて、
ちょっぴり想像してしまった(笑)。
そして今回のプチ救助で3回目となった。
実は、おまけを入れるともう1度ある。
救助したのは、私の妻。
結婚する前、二人で豊島園のプールに遊びに行ったとき、溺れた妻を助けたのだ。
溺れる者は藁をもつかむと言うが、水の中の救助は相手が激しく暴れるので、本当に難しい。
救助に要したのは、ほんの僅かな時間だったのに、身体中引っ掻きキズだらけになった。
はたから見れば、愛が深まる美談だが、妻は怒っていた。
当然である。
妻がこんな目にあった原因はすべて私にある。
泳げない妻をおもしろ半分にプールに突き落としたのだから。
この出来事がよほど腹に据えかねたのか、妻は新婚旅行で訪れたハワイでも、決して海に入らなかった。
そのとき、とりかえしのできない過ちを犯したことにようやく気づいたが、もう遅かった。
こんなバカな過ちは、誰も救助してくれない。