猫の後ろ姿 １５４０ 準戦時体制

　　　朝日新聞　2015年８月21日夕刊　２面

　北朝鮮の金正恩第一書記が、各前線部隊に完全武装を命じ、「準戦時状態」を宣言した。
　一国の指導者が戦争近しと公言する時、それは己の権力維持のための策略に過ぎないことは過去の歴史が明らかにしている。
　かの国の指導者がそれほどに愚かなのか、またはこの愚かな虚勢をたしなめ、指導者に正論を意見する人物が彼の周りにいないのか？
　
　同じ疑問は、我が国にもそのまま通用する。「安全保障法制」なるものを強行し、他国の侵略を理由に外地で我が自衛隊が戦闘行為を行えるようにしようという、安倍首相に対して、それはいけないと意見する人は、自民党内部にいないのか？　平和の党を公言して来た公明党は自らの過去を全否定しようというのか？

　かの国と日本に共通するのは、愚かな指導者と、その暴走を止めようとしない側近の存在だ。

　我が国の行く末は、われら国民がしっかりと考え、行動する事で開きたいと思う。
愚かな指導者と、その暴走を止めようとしない側近に任せてはならない。