猫の後ろ姿 1396 文子忌・日韓共同ワークショップ | 「猫の後ろ姿」

猫の後ろ姿 1396 文子忌・日韓共同ワークショップ



 2014年7月26日、朴烈・金子文子の行動と思想を手掛かりに、東アジアの連帯を考える日韓共同シンポジウムが開かれた。日韓の関係者・研究者それぞれ3名、計6名が発表した。なかで、韓国自由共同体研究会の金昌徳氏の、「金子文子」を「国家や民族というフレームを越えて、もっと幅広い価値、即ち、東アジアの平和と連帯のシンボルとして考えたい」という提起は大事な観点であろうと思う。
 もうひとつ氏の重要な提起を、以下に当日のレジュメによって紹介する。

 <東アジアのナショナリズムはその危険の度を越えて、いまは経済的だけではなく軍事的にも脅威を感じるようになった。それは東アジアの共倒れを意味しているのである。
 日本の場合は、加害者であったことを認めず、被害者のマスクをかぶったまま、自分自身に免罪符を与えているのである。
 これこそ朴烈と金子文子が見抜いて、抵抗した天皇を中心とする日本の支配体制の復活を意味しているのではないか。>

 アジアの民から観れば日本は先の戦争において「加害者」であったことを自覚せず、「敗戦」をも認めない国家だと見えるに違いない。「加害者」であったこと、「敗北」したことをしっかりと認識し、「天皇制」の徹底した克服を追求するところから、アジアの民との連帯の道を模索したいと考える。