猫の後ろ姿 403 榎並和春個展 アジアの深層へ
榎並和春さんの個展を観て来た(ハーパーズ・ミルにて、21日まで、17日は休み)。今年の国展出品の「祝人(祭り)」がこれ。画中に遠い昔どこかでみたような、懐かしい顔があった。
といっても親戚のおじさんとかじゃない。室町時代の能の面に「翁」の面があって、その顔が記憶のなかからうかんできたのだ。それはこんな顔だ
この翁の面のもとをたどれば、朝鮮の面にたどりつく。これは「ハヘタル」という名の面。アジアの最も深い層に、こんな翁の笑顔があった。もちろんこれは老人の顔をした神であって、時折人間世界にやって来る。
榎並さんは日本からイタリアへ、そしてそこからアジアの深層へ旅していこうとしているように見える。さらに深い佳い旅を。