猫の後ろ姿 176 榎並和春「いのり」
榎並和春 「いのり」
榎並さんの個展会場内に、日頃の暮らしぶりを写した写真パネルが貼ってあって、そこにこんな言葉が書いてあった。
「人は自分のレベルでしかものが理解できない。どんなに素晴らしい言葉でも、受け取る側にそれを感受する心が育っていなければ届かない。
作品は鏡のようなものだ。今の自分が分かる範囲でしか理解できない。」
「見て美しく、使って楽しいものが作りたい」。
きのうテレビで京都の竹細工の職人さんがこんなことを言っていた。作る人がいなければモノは存在しないのはあたりまえだけど、これを「美しいと見て、楽しく使ってくれる」人がいなければモノは意味を持たない。
美しいものを見て、使って楽しいモノと出会いたいという心を持っている人に、いいモノを届ける。それが作り手の「祈り」だと思う。がんばろう。